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2016年9月14日(水)

待機児 実際は10万人超

ニーズに応える抜本的増設を

安倍政権の解消策は破綻

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 厚労省はこのほど、認可保育所の「待機児童」が2万3553人となる一方、待機児童にカウントされていない“隠れ待機児童”が6万7354人にのぼることを公表しました。国は“待機児ゼロ”を掲げますが、“隠れ待機児”まであらわになる中、解消策の抜本的見直しが迫られています。

 “隠れ待機児童”は、認証保育所などの地方単独事業に入った児童や、親が▽育児休業中▽特定の保育園等のみ希望▽求職活動を休止―のケースの児童で、いずれも国が自治体の判断で待機児から除外してもよいとしているものです。

「特例」含めると

 待機児が1198人で全国1位とされる東京都世田谷区は、親が「自宅で求職中」「育休の延長」のケースは待機児に数えています。一方、待機児7人の横浜市は、「4月1日に育休を取得」(420人)、「自宅で求職中」(366人)は除外。“隠れ待機児”を含めると横浜市が全国1位となります。

 岡山市はこれまで、「自宅から20〜30分未満で登園が可能な園がある」場合は「特定の園を希望」しているとして除外してきましたが、今年からは「第3希望まで利用調整したにもかかわらず、入園できなかった」場合は待機児と数えるよう変更。その結果、前年比595人増の729人となりました。

 待機児解消を図るうえで正確な実態把握は不可欠ですが、これでは適切な対策は望めません。

 さらに、幼稚園の預かり保育など「特例保育」は全国で9951人にのぼりますが、“隠れ待機児”にもカウントされていません。これも含めれば、実際の待機児数は10万858人に達します。国は待機児の定義を見直す検討会を開くとしていますが、潜在的なニーズを含めた正確な数の把握は急務です。

待機外しに躍起

 国は、2000年以降、認可保育所増設に背を向ける一方、02年には、東京都の認証保育所入所を待機児から除外し、15年からは、公的な補助金が入る施設へ入所していれば待機児から除外するなど“待機児外し”に明け暮れてきました。しかし、“待機児ゼロ”どころか、“隠れ待機児”を公表せざるを得なくなるほど増え続けていることは、安倍政権の待機児解消策の破綻を示しています。

 安倍政権は「待機児童解消加速化プラン」で受け皿を増やしてきたとアピールしていますが、待機児は2年連続で増加しており、保育基準を緩和し詰め込みで対応するやり方では解消しないことは明らかです。5歳まで安心して通える認可保育所の増設を柱に据えるなど、国・自治体の責任でニーズに応える抜本増設こそ求められています。

(鎌塚由美)

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