2016年9月13日(火)
戦争法 首相「実行のとき」
自衛隊幹部に訓示 “政治との直結関係を”
安倍晋三首相は12日の防衛省での自衛隊高級幹部に対する訓示で、集団的自衛権行使容認の戦争法=安保法制の整備や日米新ガイドライン(軍事協力の指針)の策定などをあげて、「今こそ実行のときだ」と述べ、本格的な運用段階への移行を求めました。首相は昨年12月の同会合の場では、戦争法に基づく新任務について「周到に準備してもらいたい」と述べていました。
8月24日の稲田朋美防衛相による新任務の訓練開始表明に続き、首相自らが自衛隊に指示を出した形です。
首相は、自らが強行してきた▽戦争法▽新ガイドライン▽統合幕僚監部への部隊運用一元化▽武器輸出の解禁―といった憲法破壊を列挙した上で、「制度は整った。あとはこれらを血の通ったものとする。必要なことは、防衛省・自衛隊による実行だ」と強調しました。
さらに首相は、「私と諸君との紐帯(ちゅうたい)の強さこそが、日本の安全に直結する。自衛隊と政治とのシームレス(切れ目のない)な関係を構築していきたい」と述べ、政治と軍事の垣根を取り払い、文民統制を骨抜きにする考えを表明。「政治の判断が必要となる事項についても、臆することなく積極的にオプション(選択肢)を提示してもらいたい」と制服組へ政策面での関与を求めました。