2016年9月11日(日)
米基地、災害対策に障害
沖縄県土木建築部 赤嶺議員ら聞き取り
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米軍基地の存在が障害になって災害対策など河川や道路事業に大きな遅れが出ている問題で日本共産党の赤嶺政賢衆院議員と党沖縄県議団は9日、県土木建築部から説明を受けました。
宮城理土木建築部長は、浦崎唯昭副知事が7日に沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長、外務省の川田司沖縄大使、在沖米国総領事館のジョエル・エレンライク総領事にたいし、氾濫対策が急がれるキャンプ瑞慶覧(ずけらん)の白比川(しらひがわ)、キャンプ・ハンセンの億首川(おくくびがわ)や、交通渋滞解消が切実なキャンプ桑江の県道24号バイパスなど14事業を挙げ、返還の迅速化や返還前の現地調査と工事着手について要請したと述べました。
これらは赤嶺議員や党県議団が一貫して取り組んできた県民にとって切実な課題です。
白比川は、氾濫を繰り返し、転落防止のフェンスが倒れたり、川のそばの町道がひび割れを起こしたりして、県が河道拡幅工事を急いでいる河川です。ところが、米軍施設が工事区域にひっかかるとして、アメリカ側の合意が得られず、工事が難航してきました。
赤嶺議員が衆院沖縄・北方委員会で、返還前にも治水工事ができるよう求め、江渡聡徳防衛副大臣(当時)が「返還の前の段階で工事ができるよう努力している」と答弁した経緯があります。
赤嶺議員は、防衛省は県の要請にしっかり応えるべきだとしつつ、白比川、億首川の治水対策は、緊急を要する問題であり、副大臣の答弁をしっかり実行させるべく引き続き国に求めていくと話しました。
北谷(ちゃたん)町の県道24号バイパス工事は、昨年9月に日米が締結した環境補足協定のため立ち入り調査ができないでいます。
同協定締結の際、安倍晋三首相は「事実上の地位協定の改定を行うことができた」と成果を強調していました。
赤嶺議員が「環境補足協定ができて、基地への立ち入りがやりやすくなるというのが政府側の宣伝だったが」と尋ねると、宮城部長は「スキームができていないからと断られている」と述べ、手続きが明確になっていないため、環境補足協定によってかえって事業が遅れる原因になっていることを明らかにしました。