2016年9月9日(金)
日本経済 異常な落ち込み
個人消費でも 設備投資でも
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2008年の世界経済・金融危機、リーマン・ショック以降、日本経済は他の主要国と比べても異常な落ち込みです。主要7カ国(G7)中、日本は個人消費が直近2年連続で低下している唯一の国です。設備投資の回復は最も遅れています。内閣府が8月にまとめた報告書「世界経済の潮流」2016Iが明らかにしています。
リーマン・ショックで落ち込んだ09年の水準を100としてその後の回復をみると、国内総生産(GDP)の主要部分を占める個人消費は、G7中、6カ国が09年水準を回復しています。しかし、日本は消費税を増税した14年と翌15年の2年連続で前年を下回っています。09年を回復していないイタリアも13年以降は回復過程にあり、現時点で個人消費が低下しているのは日本だけです。15年は104・9で、下から3番目となっています。
企業の設備投資について日本は112・9。統計で公共投資と民間投資が区別できないイタリアを除き、6カ国中で最低です。日本のGDPで個人消費は6割を占めています。消費が落ち込んでいることが企業に設備投資をためらわせています。
安倍晋三首相は日本の景気回復が緩慢であることを世界経済の減速のせいにしていますが、日本の消費、投資の低迷は主要国の中で際立っています。消費税増税などアベノミクス(安倍政権の経済政策)の増税路線が個人消費を落ち込ませ、不況を引き起こしていることは国際的な比較からも明らかです。