2016年9月9日(金)
米市民「TPP批准ノー」
議会前で宣伝・院内指導者に要望
「国民犠牲に企業優先する協定だ」
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【ワシントン=島田峰隆】夏休み明けの審議が始まった米議会前で7日、日米など12カ国が署名した環太平洋連携協定(TPP)を批准しないよう連邦議員に求めて市民が宣伝行動に取り組みました。
オバマ米政権は、11月の大統領選・議会選後から来年1月の新議会までの会期(レームダック・セッション)での批准を議会に促しています。
参加者は「レームダック・セッションでの批准に反対」「TPPにノーと主張を」と声を上げました。
参加者の代表は、議会運営のカギを握るマコネル上院院内総務(共和党)、ライアン下院議長(同)、ペロシ下院院内総務(民主党)の各事務所を訪れ、要望書を手渡しました。
要望書は、TPPが食品の安全性からインターネットの自由まで国民生活のあらゆる面に影響する「多国籍企業のための協定だ」と批判。「議会は批准せず、協定を考え直すべきだ」と訴えました。
特に「これほど広範な内容の国際条約を、落選議員や引退議員がいる会期に批准するべきではない」と強調しています。
東部メリーランド州ボルティモアから来たジャネット・ウォルセックさん(64)は「国民の権利を犠牲にして企業の利益を最優先する点でTPPは民主主義を壊す協定です。必ず止めたい」と話していました。