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2016年9月8日(木)

ヤンバルの森まるで“戦場”

沖縄 米軍北部訓練場の実態

「海外」模した集落・上陸訓練

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 沖縄県国頭郡東村と国頭村にまたがり、米海兵隊が本国以外で唯一もつジャングル戦闘訓練センター(JWTC、北部訓練場)。同センターに近い東村高江地区では、垂直離着陸機・MV22オスプレイのための離着陸帯(ヘリパッド)をめぐり「建設が強行されれば爆音と墜落の危険などで暮らしていけない」と訴える住民を、全国から大量動員した機動隊で排除する安倍政権の無法と暴走に県民の怒りは強まるばかりです。同訓練センターを視察した日本共産党の伊佐真次村議に聞きました。(山本眞直)


国頭郡東村 伊佐真次村議に聞く

 米海兵隊のジャングル戦闘訓練センターを東村議会が視察したのは7月末で、8人の全村議が参加しました。

実際の戦場想定

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(写真)沖縄県東村伊佐真次党村議

 米海兵隊の兵たん担当中尉が現場で説明に立ち、一部訓練のもようが公開されましたが、普段、基地の外から見ているよりも実際の戦場を想定した激しい訓練が行われていることを強く感じました。

 訓練場には「第三国を模した集落」というのがあり、木造の平屋ですが内部には銃を構えた海兵隊員が待機していて殺伐とした空気でした。同様な集落は複数カ所あるといいます。

 オスプレイの配備にしても、離着陸帯の建設強行でも「日本防衛の抑止力」「県民の負担軽減」を政府は口にしています。しかしなぜここに「第三国」が出てくるのか。実際には日本以外の海外で、つまり地球規模での米軍の作戦行動をするための訓練センターになっている。海兵隊が日本防衛とは関係ない「殴り込み部隊」であることを実感させられました。

 事実、説明した中尉はイラク戦争では、10年間で1800回もここで戦闘訓練をして出撃したと自慢げに語っていました。

写真

(写真)オスプレイによる兵士つり下げ訓練=2014年3月28日、沖縄本島の北部訓練場(日本共産党北部地区委員長=当時=の宮里昇氏撮影)

 訓練場には兵舎や宿舎があり、2階の窓からはヤンバル(沖縄本島北部地域一帯)の美しい緑が満喫できます。しかし米軍は、このヤンバルの森を「殺し、殺される」戦争のための訓練場として最大限に使おうとしています。

 オスプレイパッド建設に反対する住民への政権によるなりふり構わない暴力的な排除の背景に、こうした戦争のための米軍基地建設、機能強化が隠されていることを痛感させられました。

 中尉は「ビーチアクセス」を力説しました。オスプレイパッド建設と合わせてSACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意で新たに設定した上陸訓練のための土地と水域の提供による安波地区のことだと思います。これは沖合に停泊した強襲揚陸艦からボートで宇嘉川の河口まで接近し、陸路で訓練センターまで進撃する作戦を想定したものと言われています。現にこの地区には歩兵部隊による「歩行訓練ルート」が設定されています。

 中尉は同訓練センターで昨年から年間8000人が訓練しているといいます。

負担軽減に逆行

 こうした新たな訓練が加わるならば、政府がことあるごとに口にしている「県民の負担軽減」「整理縮小」に全く逆行する事態となります。

 私たちはこの10年余にわたって静かな暮らしと自然を破壊するヘリパッドはいらない、と住民の会をつくり反対してきました。オスプレイの昼夜を分かたない激しい訓練のためのオスプレイパッド建設の暴走からヤンバルの森と暮らしを守りたい、ここを“戦場の村”にしたくない、との思いを広げ、なんとしても白紙撤回を実現させたい。

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