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2016年9月8日(木)

緊急事態条項で徹底討論

改憲草案のなかでも危険性が高い

CS番組で小池氏

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 日本共産党の小池晃書記局長は5日、テレビ朝日のCS番組「津田大介 日本にプラス」に出演し、安倍政権が改憲のテーマとして狙う緊急事態条項について自民党の平沢勝栄衆院議員と討論しました。


 小池氏は、基本的人権の制限を可能にする緊急事態条項について「実質上の戒厳令だ。国会にはからずに、首相が法律と同等の政令を出すことができるようになる。自民党の改憲草案のなかでもきわめて危険性が高い」と指摘。同改憲草案が緊急事態条項の発動要件を「内乱等」「その他の法律で定める緊急事態」などと曖昧に書いていることを示し、「なんでもありだ。発動理由も、どういう政令を出すかも制限はない。こんな条項は世界の(他国の)緊急事態条項だってない」と批判しました。

 平沢氏は、改憲草案に関して「野党時代に一応のたたき台としてつくったものにすぎない。一応の案ですから」などとごまかしながら、緊急事態条項については「大きな目的のために権利が制限されることもありうる。全ての権利を守ることを前提にし、国が滅びたらどうにもならない」と正当化。災害などを例にあげ「想定外の時は超法規的に対応しなければならない」と述べました。

災害救助とは逆行

 小池氏は「災害時に必要なのは、国の権限を強化することではなく、実際に災害対策にあたる自治体に権限や情報を思い切っておろすことこそ重要で、国の権限強化は自治体に情報が届かなくなるなど災害救助対策と逆行する」と指摘。災害など緊急時の法制は整備されており、東北弁護士会連合会会長は、震災対応の遅れは行政による事前の備えの不十分さにあったとして、災害を名目にした緊急事態条項創設に反対する声明を発表していることも紹介しました。

 平沢氏は憲法に緊急事態条項を設け、具体的な人権制限に関しては「法律で決めることになる」と発言しました。

 小池氏は、現行憲法は基本的人権をまず守らなければならないとしたうえで、国民の人権と人権がぶつかりあう場合には調整するという考え方(=公共の福祉)で、災害など緊急時の法制も整備されてきたことを強調。一方で、緊急事態条項は人権制限を前提にしていると指摘し、「憲法の大原則を揺るがしている」「『人権を制限して良い』とタガを外したら、本当に危険な法律が出てくる可能性がある」と述べました。

 さらに自民党改憲草案が現行憲法の「公共の福祉」の規定を「公益及び公の秩序」に置き換えていることもあげて、「国の大きな目標のもとに、人権の制約を甘んじろというものだ。基本的な考え方を転換している」と語りました。

 「感染症がまん延しているときには、強制的に退去させなければならない」などと人権制限の必要性をあくまで主張する平沢氏。小池氏は「感染症がまん延していれば、強制されなくてもみんな逃げます。実際に強制するというのは、国民の意に反することをやらせる時だ」と反論しました。

戦前の歴史踏まえ

 小池氏は「事前に政府に人権を制限できるフリーハンドを与えるのは乱用の危険性がものすごく大きい」と強調。戦前の日本で治安維持法に死刑が導入された時は、議会で審議未了・廃案になったにもかかわらず緊急勅令で死刑導入が決定された経緯にもふれ、「こういう歴史を踏まえて、現行憲法には緊急条項を入れなかった」と語り、戦前の反省を踏まえず緊急事態条項創設を狙う安倍政権を批判しました。


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