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2016年9月5日(月)

厚労省、「入園予約」で待機児解消言うが

新たな矛盾拡大の恐れ

定員大幅増こそ抜本的解決策

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 厚労省は2日、待機児童解消に向け、1歳からの保育所入所の「予約」を可能とする「入園予約制」を来年度から導入すると発表しました。待機児童が多い自治体では、年度途中での入所が難しいことから育児休業を切り上げる母親も多く、0歳児の待機児童増加に拍車がかかっている状況があります。

 このため厚労省は、満1歳の子どもの4月入所を予約できる仕組みを導入し、0歳児の入所を抑えることで保育士確保にもつなげる考えです。また、子どもが1歳になり、育休明けから4月入所までの間、一時預かりなどのサービスを利用する場合について利用料を補助するとしています。概算要求で予約制などに451億円を要求しています。

 厚労省は、「予約制」は「不本意な育休中断をなくすため」などと説明しますが、そもそも入所枠の数が絶対的に足りないなか、予約枠に入れる保障はありません。

 同省は、「予約をしたために定員を空けておくことはしない。認められている120%までの定員超過のなかで対応してもらう」としています。少ない予約枠に応募が集中することが予想され、予約枠のための新たな“保活”が迫られかねません。

 待機児童が深刻な地域では、「一時預かり」も利用できない可能性も高く、補助があっても利用できる保証もありません。

 また、育休が取得できる親と、そうでない親との間に不公平感が生まれることや、育休を取る場合にだけ利用料補助を行うのも支援に差別を持ち込むことになるとの指摘もあがっています。

 待機児童解消のためには認可保育所を抜本的に増設するなど定員の大幅増を真正面にすえない限り、「予約制」を導入しても深刻な矛盾を広げるものとなりかねません。


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