2016年9月4日(日)
東アジアの平和、核兵器禁止条約の交渉を
アジア政党国際会議 志位委員長が発言
日本共産党の志位和夫委員長は3日、マレーシアのクアラルンプールで行われているアジア政党国際会議(ICAPP)第9回総会で、「東アジアの平和、核兵器のない世界をどう築くか」と題して発言しました。(発言全文)
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総会2日目の冒頭で演壇に立った志位氏は、英語とマレー語であいさつ。今回の総会のメインテーマ「ワン(一つの)アジア」にふれ、アジア大陸でおこった「分断と対立」から「平和と協力」への歴史的転換を劇的に体現しているのが東南アジア諸国連合(ASEAN)だと指摘し、東南アジア友好協力条約(TAC)を土台にした平和の地域的枠組みづくりに、学ぶべき豊かな教訓があると強調しました。
平和秩序を築くため2点を強調
南シナ海問題で志位氏は、7月のASEAN外相会議の共同声明が、この間の複雑な動きの中で、「国連海洋法条約を含む国際法」と「法的および外交的プロセスの全面尊重」による平和解決を確認したことを歓迎。事態の前向きな打開に期待を表明しました。
北東アジアについて志位氏は、さまざまな紛争と緊張の火種が存在するもとで、日本共産党が「北東アジア平和協力構想」を提唱していると紹介。「構想」が「この地域に平和と安定をもたらす現実的で抜本的な方策と確信します」と述べ、総会参加者の理解と連帯を訴えました。
そのうえで志位氏は、東アジアに平和秩序を築くうえで北東アジア、東南アジアに共通する2点を強調しました。
一つは、「軍事対軍事」の危険な悪循環に陥らず、どんな問題でも外交的・平和的解決に徹する態度を堅持することです。
もう一つは、領土に関する紛争問題の解決にあたっては、国際法に基づき、力による現状変更、武力の行使および威嚇など、紛争をエスカレートさせる行動を厳に慎むことです。
志位氏は、ASEANの経験をアジア全体で生かし、「平和と協力」「多様性の統一」の「ワン・アジア」に前進しようと呼び掛けました。
核軍縮作業部会の動きを受け呼び掛け
核兵器の問題について志位氏は、国連の核軍縮作業部会が8月、核兵器禁止条約の締結交渉の来年中の開始を勧告する報告書を採択したことを「画期的な動きです」と歓迎。こうした前進をつくりだした力が、被爆者を先頭とした世界の反核平和の運動、市民社会の運動と連帯した各国政府の取り組みにあることを強調しました。
ICAPPがこれまでの総会での呼び掛けの到達を踏まえ、「このクアラルンプールの地から『核兵器禁止条約のすみやかな交渉開始』を世界に向かって呼び掛けましょう」と強く訴えました。
志位氏の発言には、議長を務めているチョン・ウィヨン氏から「素晴らしいスピーチ、われわれの直面する課題について核心を突いた指摘でした」と歓迎されたほか、何人もの参加者から「包括的な発言でした」「私のスピーチの最後に、あなたの発言で核兵器廃絶を訴えた部分を引用させてもらいました」などの声が寄せられ、発言原稿の提供も求められました。