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2016年9月3日(土)

防衛省 「防衛技術戦略」初策定

兵器開発でも米に追随

大学・企業の先端技術吸収狙う

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 防衛省は8月31日、約20年先までの兵器開発の方向性を示す「防衛技術戦略」を初めて策定しました。米国防総省の兵器開発計画に日本を組み込むためのもので、日米新ガイドライン(軍事協力の指針)に盛り込まれた「装備・技術協力」に沿い、大学・研究機関、民間企業を動員した研究開発面での日米一体化の加速が狙われています。


 同省は「技術戦略」と同時に、約20年先までの重点技術分野を示した「中長期技術見積り」を9年ぶりに改定。ロボットや陸海空の無人兵器、兵士のロボット化(パワードスーツ)、電磁加速砲(レールガン)などの開発構想をあげ、4分野(表)を特に重視するとしています。

 これらの分野は、「技術戦略」自体が米国防総省の「第3のオフセット(相殺)戦略」に言及しているとおり、多くが米国の重視分野に追随、合致する内容となっています。

技術で覇権維持

 「第3の相殺戦略」とは、ヘーゲル前国防長官が2014年11月に「国防イノベーション構想」の中で表明したもの。中国やロシアの軍近代化などに対抗するため、「最新技術の普及が従来の戦闘様相を変えるとの認識の下、自国の技術的優越を維持・拡大する」(技術戦略)ものです。軍が科学技術を主導するとの発想が根底にあります。

 同戦略で米国は、民生技術の利用や同盟国との連携を重視しています。こうした方針の下、15年4月には日米ガイドラインを改定。今年6月の防衛相会談では技術戦略の協議が合意されていました。

民生技術が標的

 そのため「技術戦略」では、中国やロシアの動向にふれ、「ゲーム・チェンジャーとなりうる革新技術」や「産学との連携」の必要性を強調するなど、米国と同様の問題認識が示されています。

 名古屋大の池内了名誉教授(宇宙物理学)は、「技術戦略」などで示された技術分野について「総花的だ」と指摘。同省の来年度予算概算要求にドローンや人工知能(AI)などの民生技術の兵器実用化に向けた事業(4億円)が盛り込まれたことをあげ、「これから具体的に標的を絞ってくる」と警戒します。

表:日米が重視する将来兵器の技術分野

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