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2016年8月29日(月)

「核兵器禁止条約の17年交渉開始」

国連 秋に議論本格化

問われる日本政府の対応

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 核兵器禁止条約の交渉開始に向けて国連での議論が10月に本格化します。ジュネーブで開催された国連作業部会が今月19日、国連総会に対し、2017年に交渉開始を勧告する報告を採択したことを受けてのものです。


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(写真)作業部会の公開会合が始まる前に会話を交わす外交官たち=19日、ジュネーブ(小玉純一撮影)

非同盟、世界平和会議でも議題に

 これまでも核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議はありましたが、「17年」と期限を切ったのは、今回の勧告が初めてです。

 禁止条約ができればどんな変化がもたらされるのか。核軍縮交渉の経過に詳しいオランダの平和団体「パックス」のスージー・スナイダー氏は「英国は先日、潜水艦発射の核兵器システムの更新を決めた。法的に問題なく決まった。しかし、禁止条約があればこれは大問題になる」と指摘しています。

 現在、世界の核兵器の数は米ロを中心に、約1万5000発。核兵器の危険は去っていません。作業部会のタニ・トーンパクディ議長(タイ)は、今回の勧告が核兵器のない世界の実現に近づく歴史的な成果であることを指摘しつつ、「次は国連総会がこれを前進させるときだ」と述べています。

 17年の交渉開始を支持しているのは、国連加盟193カ国の過半数となる106カ国です。しかし、唯一の戦争被爆国である日本は、作業部会での採決で棄権しました。この日本の対応には、被爆者や平和運動関係者からも厳しい批判の声が上がっています。

 核兵器禁止条約など廃絶をめぐる国際的な論議は、国連での審議に先立って、各地で交わされます。9月1日から3日にかけてマレーシアで開かれるアジア政党国際会議では、核兵器廃絶問題が議論のひとつとなります。9月17、18日にベネズエラで開かれる非同盟諸国首脳会議でも核兵器廃絶をめぐる問題が議論される予定です。

 9月30日から10月2日までドイツで開かれる「国際平和ビューロー(IPB)ベルリン世界会議」では、原水爆禁止日本協議会(日本原水協)が各国反核団体とともに「核兵器廃絶会議」を企画。今後の戦略を議論し、運動も交流します。

 世界の反核平和運動や国連加盟国の多数が長く求めてきた、核兵器を条約で禁止し、廃絶に向けての新たな段階へと進めていく課題。国連総会は、新たな禁止条約を求める諸国と、これを阻もうとする核兵器保有国や核の傘に依存する諸国との間で厳しい対立が予想されます。日本政府の対応も問われることになります。


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