2016年8月27日(土)
TPP批准反対明言を
クリントン候補に書簡
米8団体連名
【ワシントン=島田峰隆】米消費者団体パブリック・シチズンや米通信労働組合(CWA)など8団体は25日、民主党の大統領候補クリントン前国務長官に連名書簡を送り、11月の大統領選・議会選後から来年1月の新議会までの会期(レームダック・セッション)に議会が環太平洋連携協定(TPP)を批准することに反対すると明言するよう求めました。
オバマ米大統領は、レームダック・セッションにTPPを批准するよう議会に働き掛けています。クリントン氏は「私は今も、選挙後も、大統領になってからもTPPに反対する」と演説しています。しかしレームダック・セッションでの批准に反対するとは言っていません。
書簡は「レームダック・セッションでのTPPについてのいかなる採決にも反対するという、明確で、公然とした、あいまいでない言明を求める」としています。
また国民や超党派の議員の間で、TPPは雇用や賃金、人権、医薬品を使う権利などの面で人間よりも企業を優先するという認識が強まっていると強調。「これだけの反対にもかかわらず、レームダック・セッションで有権者への責任が軽くなる議員に依拠して批准するならば、国民の意思より企業利益が重要だと暗に認めることになる」と指摘しました。
マコネル上院議員「年内採決しない」
議会で多数を占める共和党のマコネル上院院内総務は25日、「現行のTPP合意にはいくつか重大な欠陥がある。年内には採決しないだろう」と改めて表明。合意の修正が次期政権の課題となるとの見方を示しました。