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2016年8月25日(木)

きょうの潮流

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 貧しさと病にさいなまれながら、人間として成長していった石川啄木。生誕130年の今年、評伝を上梓(じょうし)した日本文学研究者のドナルド・キーンさんは彼の生き方に現代性を感じるといいます▼実生活を赤裸々につづったローマ字の日記。亡くなる直前までつけていた最後は「金はドンドンなくなった」。母親と自身の薬代を工面するため、下着や妻の帯まで質草にしたとあります▼〈はたらけど/はたらけど猶(なほ)わが生活(くらし)楽にならざり/ぢっと手を見る〉。啄木が短歌に込めた先の見えない不安。それは今の世も。非正規雇用の拡大や低賃金、社会保障は受けられず人生設計もたてられない。改善どころか政治が若者の貧困をひろげています▼今年度の全国最低賃金改定の答申が出そろいました。平均25円アップの823円。上がったとはいえ、若者たちが求める「いますぐどこでも1000円」には程遠い。最高額の東京でも年収200万円以下のワーキングプア(働く貧困層)を抜け出せません▼希望を語れない社会。その状況を打開しようと多くの若者が立ち上がっています。この間の選挙でも労働組合や世界の労働者と連帯しながら、声をあげる姿がありました▼啄木もまた苦しい生活の中に変化を求めました。キーンさんは「時代にとらわれない個性がある」と。そして、早世の歌人と通じる今の若者に希望を寄せています。昨日付、島洋子さんが紹介した言葉の中で「さらばい」とあるのは「さちばい」の誤りでした。訂正しおわびします。


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