2016年8月24日(水)
防護部隊派遣「確実に」
南スーダン 米国務長官が要求
「住民は移動も困難、空港・施設に危険」
【ワシントン=島田峰隆】ケリー米国務長官は22日、訪問先ケニアの首都ナイロビで会見し、治安が悪化している南スーダンの首都ジュバとその周辺に展開する4000人規模の地域防護部隊の派遣を確実に実行するよう求めました。ケニアのモハメド外相との会談後の共同記者会見で述べました。
地域防護部隊は、国連平和維持活動(PKO)の国連南スーダン派遣団(UNMISS)の一部として活動し、国連要員や民間人、空港などを防護します。国連安全保障理事会が12日の決議で派遣を承認しました。UNMISSには、日本の自衛隊も参加しています。
ケリー氏は現地の状況について、暴力のほとんどはジュバで発生し、「住民は移動するのも困難で、空港や政府施設が危険にさらされ、国連の拠点も攻撃を受けた」と指摘。「国連安保理が承認した部隊の展開を進める必要がある」と語りました。
部隊の性格については「介入する軍ではない。住民の移動の自由を守り、どこからのものであれ攻撃や奇襲から彼らが逃れられるようにする明確な使命を持った防護部隊だ」と説明しました。
モハメド氏は「部隊の派遣は早い方が良い」と応じました。
ケリー氏は外相会談に先立って、ケニアのケニヤッタ大統領と会談しました。またナイロビに集まったソマリア、南スーダン、スーダン、ウガンダの外相らと地域情勢を協議しました。