2016年8月20日(土)
「18歳投票率高い、何か特別な取り組み?」
警察、高校に問い合わせ
神奈川で参院選後 指導内容にも言及か
18歳選挙権が戦後初めて実施された7月の参院選挙をめぐり、神奈川県警が横浜市青葉区内の県立高3校に電話をし、高い投票率について問い合わせていたことが19日までに分かりました。
教員ら「不当介入」と批判
市民からの訴えをうけて県警にただした日本共産党の大山奈々子県議によると、県警は事実を認めました。選挙後の7月15日、青葉署生活安全課の署員が「18歳の投票率が高いが、何か特別な取り組みはしたのか」と問い合わせたといいます。
本紙の取材に県教育委員会も高校に問い合わせがあったことを認めましたが、「県警とは日頃から生徒の健全育成のために連携している。その一環であり問題ない。(県警への中止要請も)しない」としました。
県警はさらに、教員の指導内容にも言及した疑いもあります。
ある県立高校の教員によると、青葉署は「政治的中立性」について生徒へどのように指導したかについても尋ねたといいます。
教員は「前代未聞。現場からは批判とともに不安の声もあがっている。明らかに一線を越えた不当な教育への介入です。こうした越権行為に対し、県教委に自覚がないのがさらに恐ろしい」と話します。
大山県議は「県警は組織的な行為ではないというが、教育を国家の思うままに支配した戦前をほうふつとさせる。その反省から教育権の独立を貫くためにつくられたのが教育委員会です。県教委はその自覚に立って、適正に対応すべきです」といいます。
教育への権力介入をめぐっては7月、自民党はホームページで「学校教育における政治的中立性についての実態調査」を実施。「子どもたちを戦場に送るな」「安保関連法は廃止すべき」などと主張し、「中立性を逸脱した教育を行う先生」を報告するよう呼びかけ、「密告サイトだ」と批判が集中しました。