2016年8月20日(土)
防衛省 軍事費5.1兆円 概算要求へ
「ミサイル防衛」を大幅拡大
防衛省は2017年度予算の概算要求に、米軍再編関連経費を含め、総額5兆1685億円を計上する方針を固めました。
政府関係者が19日、明らかにしました。第2次安倍政権発足後、5年連続の軍拡です。16年度当初予算比2・3%増で、要求額としては過去最大となります。
中国や北朝鮮などの動向を念頭に置いたもので、北東アジアの軍拡競争を加速し、「軍事対軍事」の悪循環を拡大しかねない動きです。
概算要求では、今年に入り、北朝鮮が核・ミサイル開発を加速させていることを受け、「ミサイル防衛」網を大幅に拡大する方針です。政府は「ミサイル防衛」網の導入当時、総費用はおおむね1兆円としていましたが、一連の計画を達成すれば2兆円に達する可能性もあります。
具体的には、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)について、十数キロとされている現在の射程を伸ばすため、1056億円を計上し、システムの改修などを行います。
また、イージス艦に搭載する迎撃ミサイルSM3に関しても、日米両国で共同開発中の能力向上型「ブロック2A」の取得費として、147億円を計上します。ブロック2Aは、現行のSM3よりも高い高度での弾道ミサイルの迎撃を可能にするものです。
このほか、中国による沖縄県・尖閣諸島周辺を含む海洋進出の活発化などを念頭に置いた南西諸島への自衛隊増強に746億円、最新鋭ステルス戦闘機F35の取得費に946億円を計上します。