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2016年8月17日(水)

盲導犬の男性線路転落

東京の地下鉄 電車にはねられ死亡

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写真

(写真)事故が起きた銀座線渋谷方面行のホームは柱で狭くなっています=16日、東京メトロ青山一丁目駅

 東京都港区南青山の東京メトロ銀座線青山一丁目駅の渋谷方面行のホームで、盲導犬を連れて歩いていた品田直人さん(55)=世田谷区=がホームから転落し、進行してきた電車と接触する事故が15日午後5時45分ごろ、発生しました。品田さんは病院に運ばれましたが、約3時間後に死亡しました。

 東京メトロによると、事件発生当時、現場のホームには駅員は1人でした。特に混雑していませんでした。転落前に駅員が危険を察知し、品田さんに「お下がりください」とマイクでアナウンスし、緊急停止ボタンを押しました。しかし品田さんが線路に転落した約2秒後に電車が来て、事故になったといいます。

 赤坂署によると、品田さんは右手に盲導犬を従えてホームの線路寄りを歩いていました。徐々に線路へ接近し、左足から転落する様子が事故発生時の監視カメラに映っていました。盲導犬は、線路へ転落しませんでした。

 2015年度の東京メトロ全体の転落事故の発生件数は256件です。16年4月〜8月までの発生件数は、78件です。

 銀座線には、17年度から、渋谷と新橋を除く駅で転落防止のホームドアを設置して、18年度から稼働させる予定です。

 同駅を利用する男性(65)=東京都港区=は、「この辺りには盲導犬を連れて歩いている人がたくさんいる。転落防止装置の設置は必要。東京メトロの中で銀座線だけ装置がないというのはおかしい」と話していました。

ホームドアと駅員配置を

全日本視覚障害者協議会代表 田中章治さん

 私も外出時は盲導犬を連れています。亡くなった方は右手に盲導犬を連れていたといいます。盲導犬を育成する協会は複数あり、それぞれの歩行指導法は知りませんが、私は必ず左手に犬を連れて、左側通行しています。

 駅ホームの端を歩く場合は、犬が線路側を歩くことになります。人が落ちるときは犬も落ちることになりますが、犬と歩いていてホームからの転落は考えられません。現場で何があったのか検証が必要です。

 駅員は転落前にマイクで注意を促したといいますが、駅員が複数人ホームにいれば、転落を防ぐことができたのではないでしょうか。

 私たち全視協は、安全で安心して歩行できる社会を求めています。駅ホームは、視覚障害者にとって“欄干のない橋”です。ホームドアの設置と駅員の適切な配置が、視覚障害者の社会参加には欠かせません。


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