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2016年8月17日(水)

きょうの潮流

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 ロックミュージシャンの後藤正文さんは彼らの登場にある種の恥ずかしさを覚えたそうです。政治や社会に無関心だった自分たちの青春時代が今の時代の閉塞(へいそく)感を担保しているからだと▼若いころ政治や社会を熱く語ると周りが冷笑するように凍りつかせた。その“呪詛(じゅそ)”を打ち消したのがSEALDs(シールズ)で、おかしいと思ったら声をあげるという市民社会のあるべき姿をようやく発見した。そう後藤さんはいいます▼原発、秘密保護法、そして戦争法。自由と民主主義、人間の尊厳が脅かされていくこの国のあり方を問いながら、彼らは自分たちのあり方、自分自身のあり方を模索してきました。私の意思と言葉で、私の声で主張する、それが「不断の努力」だと信じて▼民主主義に観客席はない、社会の主役は自分たち―。この間のたたかいの現場にはつねにマイクを握る若者たちの姿がありました。彼らはママの会や学者の会とともに市民と野党共闘のかけ橋になりました▼戦後かつてなくひろがった市民運動。その先頭に立ってきたシールズが解散しました。「市民が政治に参加することを当たり前の文化にする動きは始まったばかり」。記者会見でメンバーの一人が発言していました▼今後も一人ひとりが政治にかかわっていくという面々。シールズ琉球は沖縄では危機的な状況がまだ露骨に表れているとして活動を続けます。世代の枠を超えて励ましと勇気をもたらした彼らの運動。それはまた誰かに。「終わりの日が始まりの日」だから。


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