2016年8月15日(月)
木造仮設・被災マンション
熊本地震 建築NPOが視察
欠陥住宅の問題解決や高齢社会に対応した住環境、まちづくりに取り組む「NPO法人建築ネットワークセンター」の榎本武光副理事長らは8日から10日まで熊本地震の被災地の仮設住宅や避難所、被災マンションを視察し、被災者らの要望を聞きました。
熊本県西原村では、7月に建設されたばかりの木造仮設住宅を訪ねました。木造仮設は東日本大震災で建設され、被災者に好評でした。302戸のうち52戸の同住宅には高齢者や障害者が入居し、地域コミュニティーも配慮され、集会所も設けられました。
85歳の兄と住む山田民子さん(80)は友人と談笑していました。「避難所から転居し、ほっとしている。トイレと風呂場に手すりが、玄関に靴入れがほしい。バスの停留所が近くにないので不便」と語りました。
単身でプレハブ仮設住宅に入居した小糸一さん(72)は、居住不能の自宅が「大規模半壊」とされたことに「他県の建築関係でない自治体職員が罹災(りさい)証明の調査を行ったので専門家が判定してほしい」と要望しました。
西原村の田島敬一・日本共産党村議は「仮設住宅では集会所前に足湯場をつくるなど改善させたい。障害者用住宅の玄関ドアが不具合で車いすが入れず空き家になっている」と改善を要望しました。
視察した1級建築士の藤井勝明さんは「木造仮設住宅を復興住宅として活用できないか検討すべきだ」と語りました。
益城町総合体育館の避難所にはいまでも約500人が避難しています。カーテンの仕切りはありますが、段ボールベッドで、弁当やパンの食事です。同町の甲斐康之党前町議は「地盤の亀裂や液状化による擁壁の崩れといった宅地、被害が広がっている。個人負担の軽減を求めたい」と述べました。
熊本市では被災マンションを調査。1階が駐車場などになっているピロティ型マンションで全壊が多い一方、古いマンションでもフープ(帯筋)をきめ細かく入れているマンションは全壊を免れていることが分かりました。
(日本共産党国民運動委員会・高瀬康正)