2016年8月13日(土)
事故繰り返すな 訴え続ける
日航機事故31年 安全へ願い交流
520人が犠牲になった日航機墜落事故から12日で31年。遺族をはじめ、全国で起きた公共交通や公共物などで家族を失った遺族らがこの日、「御巣鷹の尾根」にある鐘を共にならし、人命と安全軽視への警鐘をならしました。今後もゆるやかな連携で、事故の再発防止を訴えていくとしています。
2006年に起きたシンドラー社製のエレベーターで息子の大輔(ひろすけ)さん=当時(16)=を失った市川正子さんは08年から登っています。「訴え続けることが遺族としての責任だと思って声を出し続けようという気持ちになります」と思いをこめます。
05年の福知山線脱線事故の遺族らも尾根を登りました。息子の孝広さん=同(34)=を亡くした石橋タカ子さん=大阪府阪南市=は、知人に日航機事故の遺族がいます。
1200羽の折り鶴をつくった石橋さんは、知人の夫=同(45)=の遺体の一部が見つかった場所に建てられた墓標3カ所に折り鶴を供えました。「無心に作った折り鶴を届けることができて癒やされます」と語ります。
福知山線事故で娘の中村道子さん=同(40)=が犠牲となった藤崎光子さん=大阪市=は「つらい思いを抱え込む中、同じ境遇を持つ遺族たちと会うのは励まされる。事故を風化させないために、遺族同士が情報交換することは有意義です」とのべました。