2016年8月11日(木)
米核兵器開発研究所前で 平和団体廃絶訴え
核の寿命より国民の健康を
【リバモア(米カリフォルニア州)=島田峰隆】米カリフォルニア州にあるローレンス・リバモア国立研究所前で9日、広島と長崎の原爆犠牲者を追悼し、米政府による核兵器近代化計画の中止や核兵器の全面廃絶を求める集会が開かれました。同研究所はエネルギー省管轄の核兵器開発機関の一つです。
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サンフランシスコ・ベイエリアの平和団体などが共同で開催しました。この催しは30年以上にわたり毎年行われています。
集会では、長崎で被爆し、現在はベイエリアに住む花岡伸明さん(72)が発言。母をはじめ被爆した家族が病気で次々と亡くなった経験を語り、「核兵器は人を無差別に、瞬時に、また何年もかけてゆっくりと殺害する、最も陰湿で、非人道的で、道義に反する兵器です。核兵器が地球上に存在することを許してはなりません」と訴えました。
リバモアの反核団体「トリバレー・ケアーズ」のタラ・ドラブジさんは、米政府の核兵器近代化計画について「米国には基本的な医療を受けられない人がいるのに、核弾頭の寿命延長計画が進んでいます。必要なのは核兵器の寿命延長ではなく、国民皆保険制度です」と力を込めました。
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ベイエリアの反原発・反核組織「ノー・ニュークス・アクション(反核行動)委員会」の浜田ちづさんは、福島第1原発事故の被害が続いているのに日本政府が全国の原発の再稼働を急いでいることを指摘。「原発とは共存できません。過去の悲劇を忘れず、核兵器も原発もない世界を求めてたたかおう」と呼び掛けました。
参加者は同研究所の入り口前で盆踊りを踊り、ダイイン(死者を模した抗議行動)を行いました。
初めて参加したマリア・ベネベントさん(23)は「核兵器の恐ろしさがよく分かりました。米国がまず廃絶へ世界に範を示さなければならないと強く感じます」と話していました。
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