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2016年8月8日(月)

政府が新たな住宅制度検討

“住まいの貧困”解消できる?

公営供給 おろそかになる懸念

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 国土交通省は、空き家、空き室が約820万戸あることや高齢者、若者、子育て世帯などで住宅に困っている人が増加している現状を踏まえ、新たな住宅セーフティーネット制度の検討を進めています。

 7月に公表された社会資本整備審議会「中間とりまとめ」や新聞報道等によると、(1)新制度は公営住宅を補完するものとし、その対象は高齢者世帯や低廉な住宅を必要とする若年・子育て世帯、低額所得者世帯などとする(2)空き家や民間賃貸住宅の空き室を提供する形態をとり、都道府県または市町村に登録する仕組みをつくる(3)低廉な家賃で提供し入居者の選定は公的機関が関与する。高齢者などの入居を拒まない住宅にする(4)耐震性など最低限の居住環境を確保する―などです。

 こうした新たな制度を打ち出した背景には、貧困と格差が広がっているもとで政府もそれに手を付けざるを得ない事態になっていることがあげられます。

 セーフティーネットについて検討してきた小委員会では「若者、子育て世帯の住居費負担が大きく、子育て、結婚に結びついていない。それで若年世帯の消費が伸びず日本経済の発展にいい影響を与えていない」(同委員会議事録・国交省住宅局長発言要旨)などの議論があることはそれを示しています。

 制度の内容が明確になっていない段階で断言はできませんが、(1)新制度によって国・自治体がほんらい果たすべき公営住宅の供給が一層おろそかにされる(2)広さや安全性が不十分な住宅が供給される(3)住宅供給や家賃負担のありかたについての公的責任があいまいにされる―などの懸念があります。

 国土交通省は新制度の詳細をさらに詰め、実施のための予算を来年度概算要求に盛り込むことや必要な法改正を検討していると伝えられています。「住まいの貧困」をなくすため、今後の住宅運動の展開が求められています。

 (党国民運動委員会・高瀬康正)


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