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2016年8月8日(月)

口利き・現金授受疑惑 甘利氏説明責任果たしていない

「決着」どころか元秘書問題は“再捜査必要”(検察審)

関係者喚問は不可欠

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 あっせん利得処罰法違反容疑などで告発され、東京地検が不起訴とした甘利明・元経済再生担当相(66)と元秘書2人について、東京第4検察審査会は、甘利氏について「不起訴相当」とし、元秘書2人については「不起訴不当」と議決しました。甘利氏は1日、約半年ぶりに国会に姿をあらわし、本会議場で安倍首相とにこやかにあいさつを交わしたうえで、「私の件は決着した」などとのべましたが、いまだに甘利氏自身が約束した国民への説明責任を果たしていません。(藤沢忠明)


 甘利氏と元秘書2人は、県道千葉ニュータウン北環状線の整備に伴う補償交渉をめぐって、都市再生機構(UR)に口利きをした見返りに千葉県の建設業者「薩摩興業」(同県白井市)から現金を受け取ったとして、同法違反などで東京地検に告発されました。

疑問と批判の声

 特捜部は同法の構成要件である「国会議員の権限に基づく影響力の行使」について、「『言うことを聞かないと国会で取り上げる』などの極めて強い圧力を指し、一般的な口利きにはあたらない」と解釈し、嫌疑不十分で不起訴としました。

 これに対して、政治家に甘い処分ではないかと、疑問と批判の声があがっていました。

 検察審査会の議決は、元秘書が、事前の約束をとらずにURを訪問、補償交渉への対応を確認した経緯について、「有力な国務大臣の秘書で、URの判断に影響を与えうると判断しているからだ」とし、UR側が応対したのも「不利益を受ける恐れがあるからと判断した」と指摘しました。

 「影響力の行使」そのものです。

 議決は、そのうえで、薩摩興業の総務担当者から元秘書への計約1300万円にのぼる現金提供について、「請託を受けてあっせんしたことの報酬、謝礼として行われたとみるのが自然だ」と結論付け、再捜査の必要があると判断しました。一方で、甘利氏については、「元秘書と共謀していたことをうかがわせる証拠はない」とし、不起訴が確定しました。

大臣室で50万円

 今後、特捜部が元秘書2人について再捜査し、告発内容の一部が時効となる8月20日までに起訴するかどうかを判断します。甘利氏側には、司法捜査の結果を問わず、国会、国民の前に説明責任を果たすことが求められています。

 何よりも甘利氏自身が、大臣室での50万円はじめ、計100万円を薩摩興業側から受け取っています。甘利氏側の口利きで補償交渉がゆがめられ、補償額がつりあがったことは歴然たる事実です。ことし1月の大臣辞任会見で、甘利氏は「政治家の事務所は、いい人だけ付き合っているだけでは選挙に落ちてしまう」と開き直り、不明朗な献金集めを正当化しました。

 辞任会見で、「弁護士による調査を続け、しかるべきタイミングで公表する」と約束しながら、その後、「睡眠障害」との診断書を提出、国会を長期にわたって欠席、いまだに何の説明もしていません。「決着」などしていません。甘利氏はじめ、関係者の証人喚問が不可欠です。

 同時に、TPP(環太平洋連携協定)の担当相など、甘利氏を重要閣僚として起用し、疑惑発覚後も「重要な職務に引き続き邁進(まいしん)してもらいたい」とかばいだてしてきた安倍首相の責任もきびしく問われています。


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