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2016年8月4日(木)

主張

安倍政権改造人事

アベノミクスと改憲への布陣

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 安倍晋三政権が参院選の結果を受け、内閣改造と自民党役員人事を行いました。第3次安倍第2次改造内閣の発足です。参院選で福島、沖縄の有権者の厳しい批判で落選した岩城光英法相と島尻安伊子沖縄北方担当相を交代させるとともに、「アベノミクス」の破綻をごまかす巨額の経済対策や環太平洋連携協定(TPP)の批准促進、戦争法の具体化、改憲の推進などを意識した人事です。自民党が入院中の谷垣禎一氏に代えて二階俊博氏を幹事長に据えるなど人事を一新したのも、体制固めのためです。安倍政権の暴走への批判とたたかいが重要です。

「だまし討ち」の暴走政治

 参院選の投票から1カ月弱―。安倍首相は参院選では「アベノミクス」の手柄話しかしなかったのに、選挙が終わった途端、自民・公明の与党など改憲勢力で参院でも「3分の2」の議席を獲得したことなどを背景に、「アベノミクス」やTPPの推進に加え、選挙中は演説で触れることさえしなかった憲法改悪まで、「だまし討ち」的に乗り出しています。

 今回の内閣改造によっても、麻生太郎副総理・財務相、菅義偉官房長官、岸田文雄外相、高市早苗総務相、塩崎恭久厚労相、「働き方担当」を兼務する加藤勝信1億総活躍担当相らはすべて留任です。「アベノミクス」と消費税の増税を推進し、戦争法などを強行してきた政権の骨格は変わりません。

 政治とカネの問題で今年1月辞任した甘利明氏に代わってTPPの国会審議を担当してきた石原伸晃経済再生担当相も留任し、秋の臨時国会でのTPPの批准を目指す姿勢があらわです。石原氏とともにTPP審議にあたる農水相に閣外に出た石破茂氏にも安倍首相にも近い山本有二氏、経産相に官房副長官を務めた世耕弘成氏を据えたのもTPP対策です。

 安倍政権は内閣改造の前日、事業規模で総額28兆1000億円に上る経済対策などを決定しました。リニア中央新幹線や整備新幹線、港湾整備など大型公共事業を借金頼みで推進するとともに、子育てや介護の「充実」は不十分で、社会保障の削減を押し付ける内容です。「アベノミクス」の破綻を取り繕うどころか、国民の暮らしも経済も、さらには財政までも悪化させることは明らかです。

 戦争法を今年3月に施行した安倍政権が、首相に思想的立場が近いタカ派の稲田朋美前自民党政調会長を防衛相に起用し、戦争法具体化の体制を強めてきたことも重大です。南スーダンで活動中の自衛隊部隊への「駆け付け警護」の任務追加や「戦闘地域」での米軍への支援などは、自衛隊が「殺し殺される」危険を現実にするものです。暴走は絶対に許されません。

改憲の策動絶対に許さぬ

 安倍政権が、自民党の改憲案をベースに国会の憲法審査会で改憲案づくりの審議を本格化させようとしているのは危険です。自民党が安倍首相を支持してきた二階前総務会長を幹事長に据え、高村正彦副総裁を留任させた以外は体制を一新、首相と同派閥の細田博之氏を総務会長、茂木敏充氏を政調会長などとしたのも改憲などに突き進む首相を支えるためです。

 国民は安倍首相が参院選で堂々と訴えたわけでもない改憲を認めません。「だまし討ち」改憲など許さないたたかいが求められます。


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