2016年8月3日(水)
核兵器のない世界へ 数億の「ヒバクシャ国際署名」を
原水爆禁止世界大会国際会議始まる
「核兵器のない平和で公正な世界のために」をテーマに、原水爆禁止2016年世界大会の国際会議が2日、被爆71年を迎える広島市内で始まりました。国際政治の場で核兵器廃絶への機運が生まれ、新たなヒバクシャ国際署名も呼びかけられる中で、被爆者、国連や政府の代表、国内外の平和活動家が運動を交流し、討論します。
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開会総会の主催者あいさつで、世界大会実行委員会の野口邦和・運営委員会代表は、粘り強い運動の成果が実り、「核兵器のない世界の実現へ大きな転機」が来ていると指摘。国連の場で「圧倒的多数の国が、核兵器を法的に禁止・廃絶する交渉を速やかに開始すべきだと主張している」もとで「世界各国での世論と運動の高揚が必要だ」と強調しました。
長崎で被爆した日本被団協の木戸季市(すえいち)事務局次長は、自らの体験を語りながら、「核戦争起こすな、核兵器なくせ、原爆被害への国家補償の願いが実ったとき、被爆者は初めて平和の礎として生きることができ、死者は安らかに眠ることができる」とのべました。平均年齢80歳を超えた被爆者が今年提唱した「被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」(ヒバクシャ国際署名)を世界で数億集めようと呼びかけました。
特別報告を行ったセルジオ・ドゥアルテ元国連軍縮問題担当上級代表は、世界は核兵器をめぐる岐路にあるとし、「核兵器に依存して自国の安全保障を図ろうとする者に立ち向かおう」と呼びかけました。
第1セッションでは、広島・長崎の原爆被害、核兵器の非人道性などをテーマに、日本と韓国の被爆者、ビキニ核実験の被害を受けたマーシャル諸島の代表、ロシア国内の核実験・核兵器製造の被害者、チェルノブイリ原発事故で被災者を出したリトアニアの代表らが発言しました。
第2セッションは「平和運動と市民社会の役割」などをテーマに、米、英、オランダの代表が、日本の参加者と交流。日本共産党の緒方靖夫副委員長が発言しました。
世界大会には、政府・国際機関代表を含む28カ国92人が参加を予定しています。
国連軍縮上級代表 世界大会に出席へ
国連軍縮問題担当上級代表のキム・ウォンス氏が6日の原水爆禁止世界大会のヒロシマデー集会に参加し、あいさつします。昨年に続く2度目の参加です。
キム氏は、今年2月以来ジュネーブで開かれてきた、核兵器を禁止する「法的措置」を議論する作業部会で重要な役割を果たしてきました。韓国出身の外交官で、昨年6月に上級代表に就任しました。