2016年8月2日(火)
日本共産党議員団総会での志位委員長のあいさつ
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日本共産党の志位和夫委員長が1日の党国会議員団総会でおこなったあいさつは次のとおりです。
都知事選――野党統一の鳥越候補が大健闘 今後につながる二つの大きな成果
臨時国会の開会にあたりまして、ごあいさつを申し上げます。
まず、昨日(7月31日)投開票された東京都知事選挙について述べたいと思います。
野党と市民が共同して推した鳥越俊太郎さんは、勝利できませんでしたが、134万票を獲得し大健闘されました(拍手)。私は、ご支持いただいた都民のみなさんに心からの感謝を申し上げるとともに、勇気をもって出馬され、大奮闘された鳥越さんに心からの敬意を申し上げたいと思います。(拍手)
私は、この都知事選挙は、今後につながる二つの大きな成果をあげたと考えています。
一つは、鳥越俊太郎さんが、都民の願いに応えた政治の転換の旗印を鮮明に掲げたことであります。「住んでよし、働いてよし、学んでよし、環境によし――四つのよしの東京」という旗印。「都民に信頼される清潔な都政」「大型開発優先から都民の福祉と暮らし優先へ」「平和と憲法を守る東京」「非核都市宣言」などの旗印。そして、安保法制・憲法改定など安倍暴走政治ストップの旗印。鳥越さんが、これらの旗印を堂々と掲げてたたかい抜いたことは今後のたたかいに必ず生きると、私は確信をもっていいたいと思います。(拍手)
いま一つは、参議院選挙で大きな成果をあげた「4野党プラス市民」という共闘の枠組みが、首都・東京でも実現し、野党と市民が肩を並べてたたかったことであります。これも、今後につながる大きな成果であります。
日本共産党は、鳥越さん勝利のためにたたかった多くの市民、政党のみなさんと力を合わせ、鳥越さんが掲げた公約・政策を実現するために全力をあげて奮闘する決意を申し上げたいと思います。(「よし」の声、拍手)
参院選――野党と市民の共闘が大きな成功 比例代表で党史上2番目の得票
さて、7月10日の参議院選挙は、戦後初めて野党と市民が全国的規模で選挙協力を行うという、歴史的な選挙となりました。わが党は、野党共闘の勝利、日本共産党の躍進という二つの大目標を掲げてたたかいました。
野党と市民の共闘という点では、全国32の1人区のすべてで野党統一候補を実現し、そのうち11の選挙区で激戦を制して自民党に勝利しました。32の1人区のうち28の選挙区で、「1+1」が「2」ではなくて、それ以上となる「共闘効果」が発揮されたことが得票を分析しても明らかであります。また、東北、福島、沖縄という、安倍暴走政治の矛盾がとりわけ集中的に噴き出している地域で勝利をおさめたことは、暴走政権への痛打として、きわめて重要な勝利だと考えるものであります(大きな拍手)。野党共闘は、初めての挑戦としては大きな成功を収めたといってよいのではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)
日本共産党は、比例代表で5議席を獲得し、市田忠義さん、田村智子さん、大門実紀史さんの議席を引き続き確保するとともに、岩渕友さん、武田良介さんを新しくわが国会議員団に迎えました(拍手)。比例代表の得票を、躍進した3年前と比べても、515万票から601万票へと86万票増やし、参院選の比例代表では史上2番目の得票を得たことも、重要な成果であります。そして、選挙区では、東京で山添拓さんの初当選をみごと勝ち取りました(拍手)。岩渕さん、武田さん、山添さん、3人そろって30代の若い政治家であります。みんなで歓迎したいと思います。(大きな拍手)
日本共産党国会議員団が衆参合わせて35人の議員団に前進したことを、ともに喜びたいと思います。
35人に前進した国会議員団が力を合わせて、ご支持いただいた国民のみなさん、ご支援いただいた市民、支持者、後援会員、党員のみなさんの期待に応え、新しい国会で頑張り抜こうではありませんか。(「よし」の声、拍手)
国民の願いに応える国会活動をすすめる新しい条件と可能性が
参院選で野党共闘と日本共産党が前進したことは、国民の願いに応える国会活動をすすめるうえで、新しい条件と可能性を開いております。
日本共産党は参議院で11議席から14議席に前進しましたが、このことで国会活動の条件がさらに広がりました。日本共産党は参議院の17の常任委員会のすべてに委員を配置でき、うち五つでは複数の委員を配置できることとなりました。予算委員会と憲法審査会という、今後のたたかいの重要な要となるところで、委員を2人から3人に増やしました。予算委員会では理事を出せることになりました(拍手)。質問時間も、発言力も大幅に増えることになるでしょう。
11人の野党統一候補の議席は、4野党と市民が力を合わせて勝ち取った議席であり、私たちにとっても友人の議席であります。所属する会派はそれぞれだと思いますが、日本共産党として、11人の議員のみなさんとの交流と連携を強め、国会内でも、それぞれの地域でも、共通して掲げた公約の実現のためのたたかいに協力して取り組んでいきたいと思います。
さらに、4野党が市民とともに、歴史的政治戦を肩を並べてたたかったことによって、たくさんの新しい連帯と信頼の絆がつくられていると思います。国会議員同士でも、全国各地でも、そういう絆がつくられていると思います。それは、今後の国会活動を進めるうえでも、大きな財産となるのではないでしょうか。
まずは4野党として掲げた共通政策の実現のために、国会内外で共同のたたかいを大いに展開することを追求したいと思います。
日本共産党国会議員団の35議席への前進、11人の野党統一候補の議席、4野党と市民の共闘の発展――これらの新しい条件と可能性を最大限に生かして、国民の期待に応える大奮闘をやろうではありませんか。(「よし」の声、拍手)
「だまし討ち」の政治は長続きしない――安倍暴走政治を止め、政治の転換を
最後に、安倍政権とのたたかいについて述べたいと思います。
参議院選挙で、安倍・自公政権は多数の議席を得ました。しかし、この議席は、自分たちのやろうとしていることを国民に正直に語って得た議席でしょうか。決してそうではないと私はいいたいと思います(「そうだ」の声)。反対に、国政の大切な問題について、ことごとくやろうとしていることを国民に説明しない、隠し続ける、そうした不誠実な態度によって得た議席ではないでしょうか。(「そうだ」の声)
重大なことは、選挙が終わると、手のひらを返したように、暴走を始めようとしていることであります。
安倍首相は、徹底した「憲法隠し」で選挙をやりすごしました。ところが、選挙の翌日の記者会見で、首相は、「いかにわが党の案(自民党改憲案)をベースにしながら3分の2を構築していくか。これがまさに政治の技術」だと公言しました。改憲への暴走を開始しようとしていることは、断じて認めるわけにはいきません。(「そうだ」の声)
安倍首相は、選挙中は「沖縄県と話し合う」といい続けました。「県民の心に寄り添う」ともいいました。ところが、選挙が終わって、やっていることはいったい何か。高江のヘリパッド建設を強行する、話し合いを拒否して県を一方的に提訴する、法律を無視して辺野古工事を再開する――恐るべき強権をふるっております。絶対に許すわけにはいきません。(「そうだ」の声、拍手)
安倍首相は、選挙中は「アベノミクスのエンジンをふかす」というだけで、どう「ふかす」のか、その中身については語りませんでした。ところが選挙が終わりますと、事業規模28兆円の「経済対策」をぶち上げ、破綻した大型公共事業への「バラマキ」をおこなおうとしています。医療、介護、生活保護など社会保障のあらゆる分野での大改悪の計画づくりに乗り出そうとしております。
選挙のあいだは国民に語らない、大事なことはみんな隠す。そして選挙が終われば暴走を始める。これは「だまし討ち」の政治ではありませんか(「そうだ」の声)。このような「だまし討ち」の政治は決して長続きしませんし、長続きさせてはなりません(「そうだ」の声)。あらゆる分野で安倍政権の暴走を止め、政治の転換をはかるたたかいに、新たな決意でのぞもうではありませんか。そのことを呼びかけまして、私のごあいさつといたします。ともに頑張りましょう。(大きな拍手)