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2016年8月2日(火)

“学び”より“人材像”前面

中教審部会 学習指導要領改訂へ素案

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 文部科学省は1日、およそ10年ごとに行われる学習指導要領の全面改訂に向けて審議をすすめてきた中央教育審議会(文科相の諮問機関)の教育課程企画特別部会に、改訂の基本方向を示す「審議のまとめ(素案)」を示しました。従来は各教科の内容の変更が中心ですが、今回は教育全体で子どもにどんな「資質・能力」を身につけさせるかという、“人材養成”論を前面に押し出しました。

 「まとめ」は、グローバル化などに対応し子どもが身につけるべき「資質・能力」を、(1)生きて働く「知識・技能」(2)未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」(3)学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」―の三つに整理。それらに子どもを到達させるため学習内容、指導方法、評価を改善するとし、そのためのOECD(経済協力開発機構)との協力にも触れました。

 指導方法としてアクティブ・ラーニングを強調、「主体的・対話的で深い学び」などと定義しました。その一方、これまでのアクティブ・ラーニングについて「表面的な活動に陥ってしまうといった失敗事例も報告」されているとし、「次期改訂が目指すのは、特定の型の普及ではなく」と指摘せざるをえませんでした。

 学校現場に詳しい中村尚史全日本教職員組合教文局長は「審議のまとめ」について「全国学力テスト以来、教室での学びはドリル中心の薄っぺらいものになり、学習に向かわない子どもも増えています。『まとめ』の示す方向では子どもたちの抱える困難は解決されません。深い学びというなら国は人材像を上から決めるのではなく、少人数学級や教員の多忙解消、教育の自主性の尊重に転換すべきです」と述べました。


 学習指導要領 小学校から高校、特別支援学校での学習内容等についての大綱的基準。科目、授業時数なども示されます。1958年以降、「法的拘束力がある」とされ、教員の創意工夫を抑圧し、「みんなが分かる授業」等が困難となる一因にも。


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