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2016年8月1日(月)

きょうの潮流

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 「6フィート半のしかめっ面」と評されたラフマニノフ、異常なほど神経質だったホロビッツ、指を強化するための乳しぼりで牛乳パックを発明したパハマン…▼ピアニストというのは、ずいぶん風変わりな人が多いものだと知ったのは、中村紘子さんの著書『ピアニストという蛮族がいる』を読んで。幼いときから毎日何時間もピアノを弾き、わずか1分ほどの曲に何百時間もかける。その途方もない情熱も▼かくいう本人も3歳からピアノを習い始め、世間とはかけ離れた生活を送ってきたといいます。練習以外は“雑用”、いざとなればすべてカット。周りがどう変わろうが、何を言われようが私たちは莫大(ばくだい)な時間を費やしながらラクダのように悠々と進んでいくと▼そんな国際的ピアニストが初めて陳情し、反対運動に立ち上がったことがあります。東京都が文化施設の使用料を大幅に値上げしようとしたとき。それを許さない芸術・文化団体の会が結成され、先頭に立って奮闘しました▼演説、署名、抗議のコンサート。当時の青島幸男都知事や都議会の各党にも訴えました。ハコものをつくるだけでなく、もっと中身に助成してほしい。文化国家をめざす活動はその後も続きました▼「文化・芸術は知性と感受性を育て、豊かな人間性をつくります。それは社会に役立つこと」。2年前の本紙日曜版でそう語っていた中村さん。心血を注いだピアノ演奏とともに、後進を育て、人間社会に芸術を花開かせようとした熱い思いを忘れません。


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