2016年7月31日(日)
都有地、破格値で売却へ
東京都 五輪選手村 建設大手に
東京都は28日、2020年東京五輪の選手村(中央区晴海)の建設事業者に、三井不動産レジデンシャルなど大手デベロッパー11社グループを選定し、都有地(13万3906平方メートル)を1平方メートルあたり9万6000円余と破格の値段で売却することを決めました。
都は5月に特定建築者の公募を開始しましたが、応募は11社のグループだけでした。同グループは、五輪大会までに14〜18階建ての宿泊施設21棟と商業棟を建設。2〜14階部分を選手村(1万7000ベッド)として一時使用します。大会後に50階建ての超高層ビルを建築し、24年度までに計23棟・約5650戸のマンションを建設する計画です。
同グループの都有地買い取り価格は、都が設定した最低価格と同じ129億6000万円(1平方メートルあたり9万6784円)と、破格の優遇措置です。
都は410億円を投入して選手村用地の盛り土、防潮堤、上下水道、道路を整備する予定で、土地の破格払い下げと合わせて、都財政負担が増大します。
選手村用地の処分については、日本共産党都議団(吉田信夫団長、17人)が5月、「破格の優遇措置で、都民の理解は得られない」と批判、募集を白紙撤回し見直すよう舛添要一知事(当時)に申し入れています。3月8日の都議会予算特別委員会では、日本共産党の、あぜ上三和子都議が追及し、4年前に近隣の都有地を民間に売却した際の単価は1平方メートルあたり103万円で、選手村用地の売却予定価格はその10分の1にすぎないと厳しく批判しました。
11社グループには、住友不動産、三菱地所レジデンス、野村不動産、東急不動産、大和ハウス工業、東京建物、エヌ・ティ・ティ都市開発、新日鉄興和不動産、住友商事、三井不動産も参加しています。