「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2016年7月31日(日)

南スーダン自衛隊派兵

PKO参加5原則崩れる

延長の正当化成り立たず

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 首都で大統領派・副大統領派の戦闘が発生した南スーダンに展開する国連平和維持部隊(PKO)・国連南スーダン派遣団(UNMISS)のマンデート(権限)が7月末で切れます。

 国連安保理は29日、マンデートの継続を協議するため、2週間の期間延長を決定しました。一方、UNMISSに陸上自衛隊約350人を派兵している日本政府は早くも、「(紛争当事者間の停戦合意など)PKO参加5原則が崩れたとは考えていない」(菅義偉官房長官)などとして派兵継続の姿勢を示しています。しかし、これは実態とあまりにもかけ離れた主張です。

内乱状態に

 南スーダンではキール大統領派とマシャール副大統領派の内戦が続きましたが、昨年8月に和平合意がなされ、今年4月にマシャール氏が首都ジュバに入りました。しかし、7月に入って両派の戦闘が発生。マシャール派は再び、ジュバから離脱しました。

 南スーダンでは和平合意後も内乱状態が続き、国連施設やPKO部隊への襲撃も繰り返されましたが、政府は「政府側と反政府側の間で和平合意履行に向けて取り組みが続いていると認識している」(岸田文雄外相、2月4日の衆院予算委員会)として派兵を正当化してきました。しかし、マシャール派の離脱でこの理屈は成り立たなくなりました。

 ジュバでは激しい戦闘が行われ、陸自は宿営地内に避難。大使館職員も含め約70人の邦人の大半も国外退避しました。この間、陸自の宿営地周辺でも激しい戦闘が行われ、宿営地内にも着弾。ジュバ国際空港に移動中だったJICA(国際協力機構)の車両が被弾するという事態まで発生しました。

部隊増強も

 さらに国連安保理では、事態の深刻化に対応するため、攻撃ヘリや無人機などの導入も検討。潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は参加各国に部隊増強を求める意向を示しています。このまま自衛隊が南スーダンにとどまり、戦争法に基づいて「住民保護」のための武器使用などを実施すれば、隊員が砲火にさらされるのは目に見えています。(竹下岳)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって