「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2016年7月30日(土)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 それはホロコースト(大量虐殺)のリハーサルだったといわれています。数百万ものユダヤ人の命を奪ったドイツのナチス政権。じつは、最初のガス室はユダヤ人を殺すものではありませんでした▼ポーランドに侵攻した1939年9月1日、ヒトラーは極秘命令書にサインします。医師に治癒の見込みのない患者を安楽死させる権限を与える―。障害者や病人が辺ぴな病院や施設につくられたガス室に運ばれ、20万人以上が殺害されました▼劣等な人間の淘汰(とうた)というドイツ精神医学会の優生思想と、民族の優位性を強調して国民の心をつかもうとしたヒトラー。両者の一致が大量殺りくへと走らせたのです▼「ヒトラーの思想が降りてきた」。相模原の障害者殺傷事件の容疑者は以前そう語っていたといいます。障害者を価値なき命とする彼の言動はまさにナチス政権下の蛮行に通じます。戦後70年の昨年、ドイツの現場を回った日本障害者協議会の藤井克徳代表も今回の事件を聞き、それを連想したと▼働けるか、兵隊になれるか、それが彼らの価値基準だった。今の日本社会にある経済的な力や効率だけを評価する風潮につながってはいないか。藤井さんは危ぐします▼一億総活躍や長生きは悪という時の権力者、病み上がりの人を侮辱する女性都知事候補…。いま、つらく、悲しい思いの障害者やその家族からはこんなメッセージが。“障害のある人もない人も、私たちは一人ひとりが大切な存在。差別や格差のない、共に生きられる社会を”


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって