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2016年7月29日(金)

欧州委 担当者に仏元外相指名

英のEU離脱交渉 双方出そろう

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 【パリ=島崎桂】欧州連合(EU)の欧州委員会は27日、英国のEU離脱交渉の担当者に、フランス出身のミシェル・バルニエ氏を指名しました。今年10月の就任後、交渉の準備に着手します。

 バルニエ氏は、フランスのシラク、サルコジ両政権下で外相、農業・漁業相を歴任した人物です。2010〜14年には、EUの閣僚にあたる欧州委員(域内市場・サービス担当)を務め、金融規制などに尽力。世界有数の金融街シティー(ロンドン)を有する英国政府は当時、バルニエ氏の政策に強い懸念を抱いていました。

 欧州委のユンケル委員長は27日の声明で、交渉担当者には「熟練の政治家を求めていた」と指摘。バルニエ氏について「新たな挑戦にふさわしい人物であり、EUを去った後の英国との新たな関係構築に寄与すると確信している」と述べました。

 英政府の報道官は27日、「秩序立ったEU離脱を保証する」ため、「EU加盟各国や(加盟国首脳で構成する)欧州理事会、欧州委員会の代表との交渉を望む」と指摘。バルニエ氏への言及はありませんでした。

 一方、英国最大の発行部数を持つ大衆紙サンの政治部記者はツイッターを通じ、バルニエ氏について「これ以上に反英的な人物は思いつかない。(英国への)宣戦布告だ」と批判しました。

 英政府はこれまでに、「欧州懐疑派」として知られるデービス下院議員を新設のEU離脱担当相に指名しています。


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