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2016年7月27日(水)

きょうの潮流

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 どれほどの殺意に満ちていたのか。次々と刺された障害者は首に傷が集中していました。静かな山あいにある施設で起きた多数殺傷事件。残忍で冷酷な犯行に及んだのは元職員の男でした▼現場は神奈川・相模原の知的障害者施設「津久井やまゆり園」。人間が大事にされなければいけない施設で、たくさんの人の命が奪われ、傷つけられたことに言葉を失います。未明の凶行。暗闇の中で襲われた被害者の恐怖は計り知れません▼容疑者は障害者に強い恨みを抱いていたといいます。今年2月には「障害者が安楽死できる世界を」などと記した手紙を持って衆院議長の公邸を訪れていました。供述でも「障害者なんていなくなればいい」と▼小学校の先生をめざしていたという26歳の男は2012年12月から非常勤としてこの施設に勤務。翌年に常勤となり、今年2月まで勤めていました。人と人がふれあい、育てあい、支えあう職場。そんな人間らしい仕事を選んだ心にいったいどんな闇が巣くったのか▼この施設では、2月に容疑者が殺害を示唆する発言をしたことから警察に連絡。医師の診断を受け、緊急に措置入院させた経過があります。その際に大麻の陽性反応が確認されていました▼弱者を襲った惨劇は、大阪・池田小の無差別殺傷を思い起こさせます。なぜ人を殺(あや)めることにためらいもなく走れるのか。動機や背景の解明はこれからですが、被害者や家族の無念さを思うとき、どうしても。だれの命も尊ばれ、大切にされる世の中を。


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