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2016年7月27日(水)

主張

都知事選と保育

流れを変える大きな機会に

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 「保育所に入所できない」「安心して子どもを預けたい」「保育士の処遇を改善してほしい」―。大激戦の東京都知事選で、保育所に入れない深刻な待機児童問題などをどう解決していくのか、大きな争点になっています。日本共産党など野党と市民が共同で推す鳥越俊太郎氏の勝利は、東京から新たな保育行政を発信し、保育政策の流れを変えるチャンスです。

政治を動かした革新都政

 1967年4月、「保育所の充実」を公約にした美濃部亮吉知事の革新都政が誕生し、東京の保育は大きく変わりました。公立保育所の建設がすすめられ、保育者や看護師、職員の配置も都独自の基準が作られ、3歳児以上の完全給食(主食が出る)も実施されていきました。国はゼロ歳児保育を絶対に認めてきませんでしたが、革新都政はゼロ歳や産休明け、長時間保育を担っていた無認可保育施設へ公費助成を初めて実現します。民間でも公立でもゼロ歳児保育が実施されていきました。

 保育関係者や労働組合、女性団体や父母などは、それまでも保育要求を行政当局に訴えてきましたが、「都政を変えなければ実現できない」と立ち上がり、「明るい革新都政をつくる会」(当時)に結集し、都民のための知事を誕生させ、画期的な保育を実現させたのです。保育料アップにつながる国の基準押し付けのもとでも、東京は独自の努力を行い保育料は当時12年間据え置かれました。

 いま国が保育制度を改変し、公的負担や責任をなくす方向に進めているもとで、安心で安全な保育を保障する地方自治体の役割と責任が一層重大になっています。

 鳥越氏は、待機児をなくすため保育所整備や保育士の給与・処遇の改善の具体的提案をしています。それは大型開発偏重を改め「税金の使い方を変える」ことです。さらに現場に直接足を運び、乳幼児を抱える父母や保育士と膝を交え、願いに誠実に耳を傾け、心を寄せて政策を発展させています。鳥越知事誕生が東京だけでなく、日本の保育や福祉を変革する転機となることが期待されます。

 自民・公明が推してきた舛添要一氏の都政も「待機児解消」を掲げましたが、それがすすまなかった要因は十分な予算を組まず、もっぱら大型開発をすすめ、幹線道路建設だけで年間2200億円もつぎ込んできたからです。

 自公が推す元総務相候補も、前自民党衆院議員の女性候補も、大型開発に都民の税金をつぎ込んできた都政のゆがみに反省はありません。女性候補は、安全の保育を危うくする、「規制緩和」による“詰め込み”を推進することまで提唱しています。これらの候補に、都民の願う待機児解消も保育条件の充実も期待できません。

鳥越氏の勝利で希望を

 21世紀の日本で、子どもたち一人ひとりが大切にされる保育の在り方が問われています。

 「無認可保育所に援助の手を差しのべることは憲法を生かす道」と考えたのは美濃部革新都政です。要求に耳を傾け実施された保育施策は国の保育予算増額と政策を変える牽(けん)引(いん)車となりました。

 量・質とも保育を充実させ、安全で安心して子育てできる都政の実現を訴える鳥越さんを知事に―。ここにこそ都民と国民の希望と、子どもたちの未来があります。


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