2016年7月23日(土)
「弾圧許さない」 怒りの抗議
ヘリパッド工事再開 沖縄の海も森も渡さない
機動隊員が住民排除 高江県道封鎖、生活権はぎ取る
防衛省沖縄防衛局は22日、同県東村高江の米軍北部訓練場のヘリパッド(着陸帯)建設工事を再開しました。「生活が壊される」と反対する住民らの抗議行動を力ずくで抑え込んでの強行に、現場に駆け付けた県民からは「弾圧は許さない」と怒りの声が響きました。(柳沢哲哉)
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前日深夜から早朝にかけて住民ら約200人がN1ゲート前に座り込む中、全国から大量動員された機動隊が県道を封鎖。午前5時すぎに強制排除を開始しました。
「人が住んでいるんだぞ」「この森の動植物を殺さないで」と訴える住民一人一人を、機動隊員7、8人が取り囲んで腕と足をつかみ、引っ張り上げます。問答無用で手をねじり上げることもしました。住民らを強制排除した後、ゲート前に近づけないように囲い込んで動けなくし、トイレにも行かせません。「人権侵害だ」と抗議の声が上がりました。
県警がゲート前に住民らが止めていた車をレッカー車で移動させました。前日夕に突然、名護警察署長がゲート前を駐車禁止規制して、それを根拠にした撤去です。住民らは「泥棒するな」と抗議し、怒号が飛びかいました。
暴力的な機動隊の対応に、3人が体調を崩し救急搬送される事態となりました。
午後0時20分ごろ、民間警備員約60人がN1ゲート前に配備され、工事用フェンスを設置しました。住民らが座り込んでいたテントを強制撤去し、草刈りなどで整地したあと、ゲートから重機を次々に搬入。プレハブなどを建てました。
同村に住む宮城勝己さん(63)は「県道を封鎖することは住民の生活権はく奪だ。こんなことをして本当に民主国家、法治国家なのか」と憤りました。
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「ヘリパッドいらない住民の会」の伊佐育子さん(55)は「暴力を使って押し込めて、法律も何もない。信じられない。生活があるのにそれも自由にできない。人権があるのか。このまま絶対に犠牲にならない。これまで9年間たたかってきた。最後まで頑張りたい」と話しました。