2016年7月22日(金)
『週刊文春』を刑事告訴
鳥越氏弁護団 選挙の公正を害する
鳥越俊太郎東京都知事候補の弁護団は21日、同日発売の『週刊文春』が鳥越氏をめぐる「疑惑」を見出しとする記事を掲載した問題で、同誌編集人の新谷学氏に対する告訴状を東京地検に提出しました。
弁護団の弘中惇一郎、藤田謹也両弁護士は同日発表したコメントで、新谷氏に対し、刑法230条の名誉毀損(きそん)罪および、公職選挙法148条第1項但し書き(選挙の公正の侵害)、同法235条の2の第1項(新聞紙、雑誌が選挙の公正を害する罪)違反で告訴したことを表明。「これにより、週刊文春の記事が事実無根であることを明確にしました。今後につきましては、選挙運動に集中すべきであると考えます」としています。
鳥越氏「事実無根」
野党統一の鳥越俊太郎東京都知事候補は21日、週刊誌『週刊文春』が同氏をめぐって「疑惑」と見出しを打った記事を掲載した問題について、「これはまったく事実無根です。法的代理人が東京地検に告訴状を提出したので、弁護士に一任しています」と述べました。街頭演説を行った東京・中野駅北口で記者団の質問に答えました。
鳥越氏は「事実無根なので、きちっと法的措置をとることが第一」だと考えたと説明。有権者に対して「不安」を解消していきたいと語りました。
『文春』報道の不可解
選挙妨害の意図的記事
鳥越俊太郎東京都知事候補をめぐって週刊誌『週刊文春』が、女性スキャンダルの「疑惑」があるかのような記事を21日発売号で掲載しました。しかし、選挙戦最中のこの時期に選挙妨害としかいえない報道をなぜするのか、関係者からも不可解さを指摘する声があがっています。
この記事について、鳥越氏は、事実無根と厳しく抗議。弁護団が選挙妨害や名誉毀損(きそん)にあたるとして文春側を刑事告訴しました。
「なぜこのタイミングなのか。普段の『文春』の記事からみても取材も粗い」。かつて『文春』で取材に携わっていたあるフリー記者は、こう指摘します。
同誌はこの間、甘利明前経済再生担当相の金銭授受疑惑や、舛添要一前都知事の政治資金私物化問題を告発し注目を集めました。
「一連の記事では、しっかりと裏どりをしている。ところが鳥越氏の件では、被害にあったという当事者の証言もない。普段の取材方法からみても不自然だ」(フリー記者)
文春の記事では、具体的な出来事について語っているのは、「被害者」ではなく匿名の「有名私立大学関係者」という第三者です。
同誌も記事中でふれているように、この「疑惑」は過去に『週刊新潮』が取材に動きましたが、記事化はされませんでした。新潮関係者はこう打ち明けます。「確かに取材したが、記事にできるほどの事実はつかめなかった」
ライバル誌も記事にできなかった話を、確たる事実関係の立証もないまま、選挙戦にぶつけて報じる―。選挙妨害のための意図的記事としかいいようがありません。
同誌をめぐっては「編集長が政権幹部と親しい」と複数のメディア関係者が指摘しています。ジャーナリストの岩上安身氏は自身が運営するニュースサイトで「文春の記事が出る前から、対抗陣営がこれを目いっぱい利用するという噂(うわさ)は聞いてきた」とのべています。
東京と日本の未来がかかった選挙戦を、卑劣なデマ報道で妨害することは絶対に許せません。