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2016年7月20日(水)

主張

沖縄新基地建設

政府の強行姿勢に大義はない

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 沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる名護市辺野古の新基地建設問題で、翁長雄志県知事が決定した埋め立て承認取り消しについて、安倍晋三政権は、その撤回を求めた国土交通相の「是正」指示に知事が従わないのは違法だとして新たな訴訟を起こそうと検討しています。同時に、同県東村高江(ひがしそんたかえ)では垂直離着陸機オスプレイが使う米軍ヘリパッド(着陸帯)の建設工事を強行する構えです。参院選沖縄選挙区で「新基地ノー」「オスプレイ反対」を掲げた伊波洋一氏の圧勝で改めて示されたばかりの民意を乱暴に踏みにじるもので絶対に許されません。

「オール沖縄」の連続勝利

 辺野古の新基地問題をめぐっては、安倍政権の圧力に屈し、自民党沖縄県連や仲井真弘多前知事が建設推進へと立場を豹変(ひょうへん)させて以来、沖縄県民は選挙で「新基地ノー」「オスプレイ反対」の明確な意思を幾度となく示してきました。

 新基地建設とオスプレイ配備に反対する「オール沖縄」勢力は、2014年の名護市長選(1月)、県知事選(11月)、総選挙(12月)沖縄小選挙区の全て、今年の県議選(6月)と勝利を重ねてきました。今月の参院選沖縄選挙区で野党統一候補・伊波氏が、現職閣僚(沖縄北方担当相)の島尻安伊子氏に約10万6千票もの大差で圧勝し、沖縄の選挙区選出の自民党衆参議員をゼロにしました。

 「新基地ノー」「オスプレイ反対」の民意は明白です。安倍政権が強権を振るうことに大義も道理もありません。

 翁長知事による辺野古沖埋め立て承認取り消しをめぐっては、安倍政権が知事に代わってこれを撤回するため起こした「代執行」訴訟で、3月に和解が成立していました。和解内容は、埋め立て工事を直ちに中止し、国と県がそれぞれ起こした全ての訴訟を取り下げ、円満解決に向けた協議を行うというものでした。

 一方で、安倍政権は和解に基づく県との協議を始める前に、翁長知事の埋め立て承認取り消しの撤回を求める石井啓一国土交通相の「是正」指示を出しました。これに対し、知事は「是正」指示を不服とし、国の第三者機関である「国地方係争処理委員会」(係争委)に審査を申し出ました。係争委は6月、「是正」指示の適否は判断せず、新基地建設をめぐる国と県との議論は不十分であり、このままでは今後も紛争が継続する可能性が高いとして、両者の「真摯(しんし)な協議」が「問題の解決に向けての最善の道」と結論付けました。

 ところが、安倍政権は、翁長知事による埋め立て承認取り消しの違法確認訴訟を新たに起こすことを検討し、辺野古新基地の陸上部の建設作業を再開するとの考えを表明しています(14日)。これは、「代執行」訴訟の和解内容や係争委の決定に反します。

沖縄の海兵隊基地撤去を

 安倍政権は高江のヘリパッド建設でも機動隊を大量動員し、着工しようとしています。こうした強硬手段に出ざるを得ないのは、沖縄の民意と粘り強い運動によって追い詰められているためです。

 沖縄の民意は、元米海兵隊員による女性暴行殺人事件を契機に、辺野古の新基地建設反対にとどまらず、米海兵隊の撤退にまで高まっています。安倍政権はこの声こそ真剣に受け取るべきです。


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