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2016年7月16日(土)

きょうの潮流

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 今から500年近く前の中国の海事書「海語」や「海槎余録」によると、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島や西沙(同パラセル)諸島は、人が近寄ってはならない所だそうです。いくつもの首を持つ怪鳥が悲しげに鳴きながらさまよっていたり、首を切り落とされた上に手足が1本ずつしかない鬼が押し寄せて船の行く手を阻んだり▼岩礁が広がる南沙や西沙は、船が座礁しやすい危険海域。多くの漁民や船乗りが命を落としたのでしょう。入り込んだら二度と出られない恐ろしい場所とされていました▼いまや南シナ海は通商・軍事の要衝で、地下資源開発も有望。中国、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイ間で領有権争いがあります。なかでも中国は人工島を造成したり、軍備を増強したり、事態を悪化させています▼国際司法機関の常設仲裁裁判所が12日、南シナ海ほぼ全域で排他的権利を持つという中国の主張は「国際法上いかなる根拠もない」との判決を出しました。南シナ海の「独り占め」は許されないと▼海は地球表面の7割、生物圏の9割を占めます。人間の暮らしは、海のおかげで成り立つ環境、貿易、漁業なしには不可能。南シナ海の沿岸国すべての人々にとっても同じです▼18世紀末のベトナムの歴史・地理書「撫辺雑録」には、南シナ海で出くわした中国やベトナムなどの漁民や船員が、仲良くあいさつを交わす様子が記されています。各国が仲裁裁判所の判決を尊重し、平和な本来の姿を取り戻してほしい。


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