2016年7月15日(金)
都知事選 第一声に見る
安倍政治持ち込み狙う増田・小池氏
鳥越氏 格差拡大の政策を批判
東京都知事選(31日投票)は、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)=日本共産党、民進党、社民党、生活の党推薦=、増田寛也元総務相(64)=自民党、公明党、こころ推薦=、小池百合子元防衛相(64)=前自民党衆院議員=の有力3氏の大激戦となっています。
知事選は、自民党・公明党が支援し支えてきた猪瀬直樹、舛添要一の両知事が相次いで「政治とカネ」疑惑で任期途中で辞職に追い込まれ、都政大混乱の中で行われています。
4野党と市民が推す鳥越知事を誕生させて都民の願いを実現する清潔な都政に転換するのか、それとも都民に背を向け安倍自公政権いいなりの都政を続けるのかが問われます。
舛添問題謝罪なし
鳥越氏は第一声で、「都民の税金がちゃんと使われているか、受け取った方もちゃんと意識していない。その典型が舛添さん」と批判。都の税金の使い方を厳しくチェックして、貧困と格差の解消、住環境の改善など都民本位に切り替える方向を示して、「東京都民みんなに都政を取り戻し、新しい都政を」と訴えました。
一方、分裂選挙となった自民党の増田、小池の両氏の陣営はいずれも、舛添前知事を支援し都政を混乱させたことに反省や謝罪の言葉はひと言もありませんでした。
増田氏は第一声で、「都政の混乱に終止符を打たなければなりません」と述べ、小池氏も「4年間に3人の知事が代わり、さまざまな問題が起こりました」と話し、どちらも人ごとのような言い方でした。
アベノミクス推進
鳥越氏は第一声で、非正規労働者を増やし格差を拡大する安倍政権の政策を批判し、「働いてよしと思える東京都を」とよびかけ、「子どもの貧困や待機児童の解消」「望む人が正社員になれる格差のない社会」の実現などを公約にかかげています。
一方、小池氏は「アベノミクスのもたついている部分を東京で先に実現する」と、アベノミクスの都政への推進を公約しました。
増田氏も「世界一の国際都市として飛躍する東京」と、大型開発推進の都政の継続を主張し、「国の成長戦略と連携して東京都のGDPを大幅アップ」などと、「世界一企業が活躍しやすい国づくり」をすすめる安倍政治の都政へのいっそうの持ち込みを公約しました。
(岡部裕三)