2016年7月12日(火)
介護休業取得の新基準
厚労省 要介護2以上、1でも対象
労働者が取得できる介護休業の基準の見直しを検討してきた厚労省の研究会は8日、報告書を取りまとめました。新たな基準には、介護認定区分を導入し、「要介護2以上」とする一方、要介護1以下でも一定の介助が必要なら取得できる基準を設けました。
これまでは「常時介護が必要な状態」とされ、12項目の基準を設定。厚労省は「要介護2〜3程度相当」と説明してきました。
新しい基準は、労働者と事業主に分かりやすいものとするという理由で、介護保険と整合的なものとすべきだとして「要介護2以上」としました。一方、介護保険の対象とならない40歳未満や「要介護1」の場合でも対象となるよう12項目の判断基準も提示しました。従来の判断項目を再編したり、「日常の意思決定」などを追加しました。歩行や食事、着脱衣などの項目中、「全面的介助」が一つ以上か、「一部介助」が二つ以上該当すれば取得できるとしています。(別表)
研究会は、改正育児・介護休業法で介護休業(通算93日)が3回までの分割取得が可能になったことなどを受け、介護休業の要件である「常時介護を必要とする状態」の判断基準を検討してきました。報告書を受け、厚労省は、新基準を来年1月から実施します。
介護休業取得の判断基準となる12項目
(1)1人で10分間座っていること
(2)5メートル程度の歩行
(3)車いすとベッド、便座の間などの乗り移り
(4)水分・食事摂取
(5)排せつ
(6)衣類の着脱
(7)意思の伝達
(8)外出すると戻れない
(9)物を壊したり、衣類を破くことがある
(10)周囲の者が対応をとらなければならないほど物忘れがある
(11)薬の内服
(12)日常の意思決定
*各項目について「自分でできる」「一部介助が必要」「できない」などの3段階で提示。「一部介助」が二つ以上または「できない」が一つ以上あてはまる場合は取得可能。