2016年7月7日(木)
反共・反野党の攻撃に答える
甲府・横浜 不破前議長の街頭演説(要旨)
日本共産党の不破哲三前議長は、甲府市(5日)と横浜市(6日)での街頭演説で、安倍晋三首相と自民党の反共・反野党の攻撃に痛烈な批判を加えました。その要旨を紹介します。
「憲法の全条項を守る」が私たちの対案
安倍陣営は、首相を先頭に、野党と市民の共闘への攻撃に熱中しています。
まず、「憲法問題で対案がない」という攻撃。とんでもない。私たちは「現憲法の前文を含む全条項を守る」と党綱領に明記しています。これが私たちの確固とした対案であり、この立場を、憲法にかかわるあらゆる問題で真剣につらぬくつもりです。
現実の日本には、長く自民党政治が続いてきた結果、憲法に合わない現実が多くあります。将来、私たちが日本の政治に直接責任を負う立場に立つときには、こうした現実をただすことが、大きな課題となってくるでしょう。
自衛隊と憲法9条との矛盾の問題は、もっとも大きな問題の一つですが、これは一気に解決できる問題ではありません。アメリカとの軍事同盟という9条に背く道に踏み出して半世紀、日本は軍事的対立の一方の側に組み込まれてきました。軍事的対決の危険をはらむアジアの情勢を変えるには、日本自身が憲法9条を真剣に守る立場で、積極的な平和外交を進め、平和で安定した国際環境を自らつくり出していくことが必要です。そのなかで、国民の合意のもとに、自衛隊を段階的に縮小して憲法の完全実施に向かってゆく。これが、現実の矛盾を解決する私たちの方針です。
「神を信じるものも信じないものも」
安倍陣営の野党攻撃の決まり文句は、「理念と路線の一致のない野合」という非難です。これは、統一戦線の意義をまったく理解しないものです。
第2次世界大戦の当時、ヒトラーが占領したヨーロッパでは、反ヒトラーの国民的共闘が各国で起き、レジスタンスと呼ばれました。その時の団結の合言葉が「神を信じるものも信じないものも」でした。世界観が違っても一致して巨悪に立ち向かう。ここに世界で試された統一戦線の精神があります。
憲法を破壊し戦争と独裁の政治をめざす安倍政権から、憲法・平和・民主主義を取り戻す。ここに今日の国民的共闘の大義があります。昨年、国会を囲んだ戦争法反対のたたかいのなかで、創価学会の三色旗があちこちで翻り、感動を呼びました。国民の運命にかかわる大事な時には、保守・革新の違い、信教の違いも超えて団結する。統一戦線の心を生き生きと発揮した情景でした。
改革の道を国民の合意で一歩一歩進む
将来の問題については、日本共産党は、21世紀を先々まで見渡し、資本主義を乗り越えた未来社会をめざす壮大な展望を持っています。そこへ進む道筋についても、守るべき大方針を綱領に明記しています。それは、「段階的改革」と「多数者革命」です。どんな改革も、国民多数の合意のもとに一段一段前進するという方針です。共闘する相手を無視し、国民の合意を得ないで、自分だけ勝手に前へ進もうというやり方など、私たちとはまったく無縁のもので、それこそ安倍首相のお得意のやり方ではありませんか。