2016年7月6日(水)
中国軍 西沙海域で演習
南シナ海 領有権争いに強硬姿勢
【北京=小林拓也】中国海軍は5日、南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島を含む海域で軍事演習を始めました。演習は11日まで続く見込み。フィリピンが提起した南シナ海問題をめぐる国際仲裁裁判の判断が12日に出されますが、直前に軍事演習をすることで、領有権争いで強い姿勢を示すねらいがあるとみられます。
仲裁裁判 判断の直前
西沙諸島は中国が実効支配していますが、ベトナムなども領有権を主張しています。
5日付の中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は、軍事演習について、「中国が仲裁裁判の判断を守らないと表明し、自らが地域の安定を守るという態度を示した。非常に強硬な反応だ」とする専門家のコメントを掲載しました。
一方、中国国防省は中国メディアに、「中国海軍が毎年計画的に実施している定例の演習だ」と説明しました。
中国海事局は3日、南シナ海の西沙諸島を含む海域に、5日から11日まで船舶の進入を禁止すると発表しました。
中国政府は12日に出される国際仲裁裁判の判断に関し、「受け入れない、参加しない」との態度を崩していません。
1日の中国共産党創立95周年記念式典で演説した習近平国家主席は、南シナ海問題を念頭に、「われわれの正当な権益は決して放棄しない」と強調。軍事面では、「積極的防御の軍事戦略方針を実行する」とし、強軍改革や軍事闘争の準備などを指示しました。