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2016年7月4日(月)

きょうの潮流

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 「慈悲深く慈愛あまねきアッラーの御名において」。イスラム教の聖典コーランの冒頭でくり返される一節です。各章に表れ、日々の生活の中でも頻繁に用いられます▼慈悲や慈愛は相手を慈しむ深い愛情に満ちた心。そのコーランを暗唱させ、言えなかった人には危害を加えていったといいます。バングラデシュの首都ダッカで起きた人質事件。現場となったレストランからは日本人を含む20人の遺体が見つかりました▼邦人犠牲者は20代から80代の男女7人。中には来年にも結婚する予定だったという男性も。異国の地からの突然の悲報に遺族や関係者の無念さはいかばかりか。息子を失った父親の一人は「煮えくりかえる思い。とにかく生きて帰ってきてほしかった」と▼あたりは大使館や外国企業が集まる高級住宅街で外国人客も多い店でした。事件が起きた1日はラマダン(断食月)の期間中で最後の金曜日の夜とあってにぎわっていました▼犯人は全員バングラデシュ人の若者でISやアルカイダ系の過激組織が犯行声明を出しています。北海道の2倍ほどの地に1億5千万人超が暮らすこの国は最貧国の一つ。過激派が入り込む背景にこうした貧困問題や若者の不満があるといわれています▼欧米や中東、そしてアジア…。いまや世界中に拡散するテロ。いつどこで、また罪のない市民の血が流されるのか。貧富の格差や差別、暴力、将来への絶望。いびつな世界をつくっている状況を力を合わせ、変えることができるのも私たちです。


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