2016年7月4日(月)
選挙公報でも だんまり
改憲隠す自公候補 TPP、アベノミクスも
安倍晋三首相が争点隠しに終始している改憲問題で、自民、公明の参院選候補者が、各戸に配布されている選挙区公報でもだんまりを決め込んでいます。重大争点である環太平洋連携協定(TPP)、消費税増税についてもほとんど触れず、論戦を回避しています。
「憲法改正」に言及している自民党候補は2人。自民党改憲案の起草委員を務めた長野県の現職候補もまったく触れていません。言及している候補者も、富山では「国民の理解に基づく時代に合った憲法改正」というだけで、9条改憲の狙いには口をつぐんでいます。鳥取・島根では、参院選の合区解消を求める立場から「憲法改正」を掲げているだけです。
公明党も「加憲」といいながら、候補者は全員一言もふれていません。
選挙後の国会で批准が焦点となるTPPでも、最も打撃を受ける北海道で自民党候補2人はともに記述なし。「TPP総合対策実行本部幹事」という自民党内の肩書を持つ一人は「農林水産物の輸出拡大」というだけです。青森、秋田、岩手、宮城、福島の各候補も、「正々堂々愚直に」(青森)といいながら一言も語らず、「農林水産業を守る」(宮城)というだけです。
TPPに言及している自民党候補は全国で10人ですが、「TPPへの不安払拭」(静岡)、「TPPに打ち勝つ」(兵庫)というだけです。
安倍首相が成果を誇るアベノミクスについて、「実績表」まで掲げて自賛しているのは大阪、福岡の2人だけ。逆に「地域の皆様から『効果が感じられない』というご指摘も伺っております」(宮城)、「地方が潤う『ローカル・アベノミクス』を実現する」(三重)と、アベノミクスの破綻を認めています。
安倍首相が「先送り」実施を表明している消費税10%への引き上げを掲げる候補はいません。石川の候補だけが「消費税上げ延期」を掲げています。