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2016年7月3日(日)

主張

参院選論戦と憲法

安倍政権への審判が9条守る

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 投票日が1週間後に迫った参院選で、安倍晋三政権の改憲を許すかどうかが、戦争法廃止や経済と国民の暮らしの問題とともに大きな争点です。選挙後の国会で改憲案発議の検討を進めると明言した安倍首相は、選挙中は中身がまだ固まっていないからと改憲を口にしません。自民党は現在の憲法9条を変え、「国防軍」などを明記する「改憲草案」を準備しています。安倍首相はテレビ討論で日本共産党の志位和夫委員長から9条は変えないといえるかと追及されても答えません。安倍政権が選挙後改憲に動きだす危険は明白であり、参院選での審判が重要です。

首相は異常な改憲タカ派

 「参院選では改憲勢力で改憲の発議に必要な3分の2の議席を目指す」「任期中に改憲を実現する」などの発言を繰り返してきた安倍首相が、選挙になって改憲に進んで触れなくなったからといって、改憲の策動をいささかも後退させたものでないことは明らかです。

 それどころか首相は公示直前、選挙後の国会の憲法審査会で改憲案をまとめ、国民投票に改憲を発議すると明言しました。改憲案がまとまっていないなどを口実に、選挙で改憲を語らないのは国民から「白紙委任」を取り付けようとでもいうのか。選挙では語らないこと自体重大な審判の対象です。

 安倍首相は2012年末に政権に復帰後、13年の参院選でも、14年の総選挙でも選挙では最大の焦点は経済だといったのに、選挙が終わった途端、秘密保護法の制定や集団的自衛権の行使容認、戦争法の制定などを強行しました。参院選でもそのごまかしの手口を繰り返させることは許されません。

 もともと安倍首相は自民党内でも異常な改憲タカ派です。06年に小泉純一郎政権を受け継いだ第1次政権では、自民党としての初の改憲案「新憲法草案」をもとに、自らの任期中に明文改憲を実現することを掲げ、改憲手続き法の制定と集団的自衛権行使容認の解釈改憲の“二本立て”で改憲を推し進めました。07年の参院選では公約の“いの一番”に「新憲法制定の推進」を掲げたほどです。国民の反対によって参院選で惨敗、その後安倍氏も首相を辞任し、改憲策動は挫折を余儀なくされました。

 それから5年後政権に復帰した安倍首相は、決して改憲の執念を後退させていません。当初は改憲案を直接持ち出さず、改憲の発議要件を緩和する憲法96条の改憲を持ち出したのは、国民の批判を恐れたためです。その後も一部野党とも一致できる“お試し改憲”などの動きも見せますが、昨年戦争法を強行した後、いよいよ乗り出してきたのが9条を本丸に置いた改憲の動きです。安倍首相の改憲執念に厳しい審判が不可欠です。

自民党改憲案の危険明白

 自民党が野党に転落している間にまとめなおした「改憲草案」は、自衛隊を「国防軍」と明記し、集団的自衛権の行使に一切の制約を取り払い、国民の基本的人権は「公益」の名で制約するなど、極めて危険な内容です。安倍首相は戦争法強行など立憲主義の破壊を重ねています。その安倍首相が、危険な改憲案をもとに、改憲策動を進めるのを許すことはできません。

 安倍政権と改憲勢力へ厳しい審判が必要です。野党共闘の勝利と日本共産党の躍進で平和の宝、9条を守ろうではありませんか。


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