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2016年6月29日(水)

原発撤退などを否決

東京電力の株主総会

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(写真)東電の株主総会会場前で原発からの撤退などを求め、総会参加者にアピールする市民グループ=28日、東京都渋谷区

 東京電力の株主総会は28日、東京都渋谷区の国立代々木競技場第1体育館で開かれました。「原発からの撤退」「汚染水の海洋放出禁止」などを求め株主から10議案が出されましたが、すべて否決しました。

 再稼働反対に関連する提案に対しては、「原発は国のエネルギー基本計画で『重要なベースロード電源』と位置づけられた」と否決理由を挙げています。広瀬直己社長は、柏崎刈羽原発について「当社の重要な経営課題である再稼働に向けた対応を着実に進める」と推進の姿勢を鮮明にしました。

 会場前では、脱原発・東電株主運動のグループが横断幕を掲げ、「原発からの撤退」などの株主提案内容を参加者に配布していました。

 総会で広瀬社長は、福島第1原発事故で原子炉内の核燃料が溶け落ちる「炉心溶融(メルトダウン)」が起きたことを2カ月以上公表しなかった問題で陳謝し、再発防止を徹底すると述べました。

 数土(すど)文夫会長は「炉心溶融」という言葉を使わないよう当時の清水正孝社長が社内に指示していたのは「隠ぺいにあたる」としました。

 株主からは、炉心溶融を判断する社内マニュアルがあったことを事故後5年たって認めたことなど「(事故を)小さく見せようとする体質は一向に変わっていない」と批判されました。

 株主提案では、自治体任せの原発の防災計画について、実効性があると判断されない限り再稼働しないとするものや、使用済み核燃料を再処理する事業を担う日本原燃や日本原子力発電について「将来性がない」2社に出資しないよう求めるものもありました。

 総会参加者は昨年より700人以上少ない1321人で、福島原発事故後で一番短い3時間3分で終わりました。


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