2016年6月27日(月)
明文改憲の争点隠し狙う自公
詭弁許さず自民案に審判を
26日放映のNHK「日曜討論」で、日本共産党や民進党、社民党などが「明文改憲は参院選の大争点だ」としたのに対し、自民党の稲田朋美政調会長は「憲法審査会で議論することだ」、公明党の石田祝稔政調会長は「参院選で争点になっているとは思いません」と争点隠しの姿勢に終始しました。
石田氏は「憲法は、国会と違って内閣は何も発議できない。(憲法は)国会でやってくださいということだ」「総理がリードして憲法審査会を開けとかそんなことはいえない」と改憲をねらう安倍首相を擁護しました。
しかし、安倍首相が「任期中の改憲」の意思を表明している以上、争点になるのは当然のことです。首相は選挙後に「憲法審査会を動かしていく」と表明しており、選挙が終われば改憲論議を進めようとしているのは明らかです。石田氏も「国会でしっかり議論しなければいけない。(自公)連立政権合意でも憲法審査会で議論すると書いてある」、稲田氏も「憲法改正から逃げていない。公約でも示している」と述べました。
改憲発議は国会の権限(憲法96条)であり、発議に向けた論議をするなら、国会議員を選ぶ選挙で改憲の方向も含め国民の審判を受けるのは当然です。憲法改正は最終的には国民投票で決まりますが、何をどのように変えていくのかなど国会の論議に、国民の意思を反映させていく上でも、選挙の争点として国民的議論を行うのは当然の要請です。
安倍首相はこの間の党首討論で、「条文をどのように変えていくかは、選挙ではなくて国民投票です」(21日)、「どの条文がということは決まっていないのですから、この選挙においては、どの条文を変えていこうということは議論できない」(19日)と述べています。「何らかの改憲」を行うが、論点が絞られ、国会が発議するまで国民は黙って見ていろというのは、まったくの詭弁(きべん)です。
自民党は、9条2項削除・「国防軍」創設や緊急事態条項の創設などを盛り込んだ改憲案をまとめており、安倍首相も「改憲案をお示ししている」と繰り返してきました。その中身を争点として審判を受けるのは当然のことです。
詭弁で選挙をやり過ごし、憲法破壊を進めるやり方は通用しません。
(中祖寅一)