2016年6月19日(日)
きょうの潮流
子どもが通う中学校で来週、期末テストがあります。終わるまで部活動は休み。喜ぶ子もいれば、練習ができずに残念がる子もいます▼好きなことに熱中し、仲間と目標に向かって努力する部活動は本来、楽しい場です。達成感を味わい、長く付き合える友人を得ることもできるでしょう。しかし現実には、活動時間が長い、休みがない、厳しすぎる…など、楽しむどころではない場合も▼全員に入部が義務付けられたり、内申書への影響を心配して仕方なく入る子もいます。勝利至上主義のもと活動が過熱化し、過酷な練習や体罰、いじめで心身に傷を負う深刻なケースもあります▼先生の負担も大きい。文部科学省によると、全教員が顧問になることを原則とする中学校は全体の約7割にのぼります。経験のない競技を担当する重荷、放課後や休日も指導を求められ「家族との生活が成り立たない」という悲鳴も。インターネットでは、顧問の強制をやめてほしいと署名が広がっています▼文科省は、部活動に休養日を設けることを柱とした報告書をまとめました。この問題では日本共産党の田村智子参院議員が2度にわたって国会で質問し、子どもの成長と教職員の過重労働の改善を重視した対策をとるべきだと提起していました▼何より大切にされるべきは、子どもたちがのびのびと学び成長できる環境を保証し、生徒も先生も心身ともに健全に過ごせること。そのために何が必要か、よく意見を聞き現場に合った改善の実施が求められます。