2016年6月18日(土)
6・19沖縄県民大会
42年前、母親を米兵に殺害された金城武政さん胸中を語る
基地ある限り起こる
元米海兵隊員による女性殺害事件を糾弾し、米海兵隊撤退、名護市辺野古への新基地建設断念を迫る沖縄県民大会(19日)を前に、復帰直後の1974年、辺野古で母親=当時(52)=を米兵に殺害された遺族、金城武政さん(59)が胸中を語りました。
(山本眞直)
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「また被害者がでた。基地ある限り必ず起こる」。うるま市の女性(20)が、日課のウオーキング中に元海兵隊員の米軍属の男(32)に暴行、殺害され遺体を遺棄された事件が報道された日、辺野古の自宅に飾られた母親の遺影に、こうつぶやいた金城さん。
元海兵隊員による今回の犯行に、「米兵の犯罪はますます凶暴になっている」と唇をかみしめました。
母親が殺害されたシーンは42年たった今も、鮮明です。
事件の現場となったバーは、新基地建設予定地のキャンプ・シュワブに隣接する辺野古崎を見下ろす集落の一角。布団店と洋裁店を兼ねた自宅の一部をバーにして、母親が切り盛りしていました。
当時、高校生の金城さんはバーの2階で暮らしていました。惨事を弟から聞き、駆け下りると血のついたブロックが床に転がっていました。米兵は強盗しようと、ブロックで母親の頭を襲いました。
翌日、母親が亡くなったとの知らせで駆けつけ、病院のドア越しに目にしたのは、手術で頭髪をそり落とされた異様な姿でした。
バーは、母親と金城さんの反対を父親が押し切っての開業でした。
「米軍を責める前に、自分は父親を責めた。でも一番の問題は、戦争という人を殺すことを仕事にする米軍基地の存在があった。それをなくさない限り必ず起きる、と自分にいいきかせた」
金城さんはいいます。「基地のない平和な沖縄が願い。海兵隊を撤退させ、新基地建設の断念しかない」