2016年6月15日(水)
参院選 香川選挙区 訴えが響き 共闘加速
1人区 唯一の共産党公認 たなべ野党統一予定候補
激変 政治の現場から
予定参院選の香川選挙区(改選数1)は、1人区の野党統一候補で唯一、日本共産党公認の、たなべ健一氏(35)と自民党現職の磯崎仁彦氏の事実上の一騎打ちです。統一の大義を示す全国注視のたたかいに勝利しようと党派を超えた共同が広がっています。(香川県・浜崎好人)
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「給料が低くてまともな生活や結婚ができないという青年、小さな子どもの手を引いて、絶対に戦争法だけはいけないと集会に参加したお母さん、一人ひとりの思いを参院選で実らせていきます」―。山下芳生党副委員長を迎えた10日の演説会。社民党県連副代表の米田晴彦県議とともに訴える、たなべ候補の力強い声が丸亀市の街頭にこだまします。
米田氏も「たなべさんの勝利に力の限りたたかい抜く」ときっぱり表明。1日に高松市の瓦町駅前で県内の社民党、民進党幹部がともに訴えた日本共産党の街頭演説会に続き、野党共闘が加速します。
16日には、日本共産党の志位和夫委員長、民進党の安住淳国対委員長、社民党の吉川元政審会長、生活の党の小沢一郎代表がそろって高松市の三越前で訴えます。
確認書を結び
たなべ予定候補は3日、自治労県本部、平和労組会議と協定を、松原昭夫日本共産党県委員長と民進党県連が、日本共産党綱領の趣旨に従い確認書を結びました。
確認書は、「一党独裁」「私有財産」など日本共産党への誤解を払拭(ふっしょく)する内容にもなっており、民進党関係者も「共同をすすめるための大きな力になっている」と重視しています。
事務所開き(4日)にも、社民党、新社会党の県幹部や自治労県本部、ママの会や香川大学有志の会など幅広い団体、個人がかけつけました。民進党の江田五月最高顧問から心のこもったメッセージが届きました。
民進支持者も
選挙事務所には、全国からの激励とともに、民進党の支持者からも「親戚に渡したい」とビラを受け取りに来るなど反響が。別の民進党の後援会員は、「ビラを10部もらおうと思ったけれども、思い切って30部もらう」と支持を広げることを約束しました。
社民党の高田良徳県連代表は、たなべ予定候補、山下副委員長との握手写真を掲載した独自ビラを作成。地元で活用しているといいます。
はじめて日本共産党の候補者を応援するという三木町の男性(68)は、こう力を込めました。「他党を応援したこともありますが、たなべさんの訴えはすべてが響きました。野党統一候補を香川から国会に送り出したい」
「清水の舞台から…」期待と激励
たなべ予定候補は2015年8月に立候補を表明してから、JA香川中央会や丸亀町商店街振興組合、元農業委員などと幅広い団体・個人と懇談を重ねてきました。
春名なおあき参院比例予定候補とともに、県内の首長とも懇談をしてきました。筒井敏行三木町長からは「全国1人区の(日本共産党の)決断は、清水(きよみず)の舞台から飛び降りましたね」と激励を受けました。
一方、自民党の磯崎予定候補は、業界まわりなど組織固めを中心とした運動を展開しています。磯崎氏は定期宣伝物で、「国家の緊急事態に的確に対応できることなどを盛り込んだ憲法を、自らの手で制定することは当然」「教育勅語に書いてある内容は現在でも通用する」などと発言。平和と民主主義を願う有権者には背を向けた姿勢に批判が高まっています。
磯崎氏とは対照的に戦争法廃止、改憲阻止を正面から訴える、たなべ候補への共感と期待は高まっています。丸亀市在住の元自衛官(60)は「戦争法だけは絶対にダメだ。安倍政権のやり方は腹が立つことばかり。たなべさんを絶対に勝たせてほしい」と語ります。
たなべ予定候補の街頭宣伝では、雨の日でも、買い物帰りに足を止めて訴えに聞き入る有権者の姿も。「戦争法を必ず廃止してほしい」という高松市の男性(72)は「これから親戚、兄弟と声をかけていきたい」と語り、たなべ氏に握手を求めました。